エピジェネティック理論

『障害』という表記は避けるべき?根拠をもって発信するため、当相談室での考え方を整理しました

こんにちは、まのです。

障害、障碍、障がい…この表記の揺れには様々な関係者各位の思いがあるようです。
文字1つと言っても、そこへ込められた配慮したいという方々の気持ち、当事者の方々の考えがそこにあり、それはそれは複雑な事情を孕んでいることを忘れてはいけません。

とはいえそもそもの話…障害という表記は本当に差別表現に当たるのでしょうか?
仮にそこをよく理解せず、なんとなく良くなさそうだから。という理由だけで「障がい」といった表記を使うのも個人的には納得がいかない…。

今回の記事は(も?)、あえて堅苦しくなりすぎないようラフに書いております。ラフすぎて気分を害された方がおられましたら申し訳ありません。
一応こう見えても真剣に検討させて頂いている、ということはお伝えさせて下さい。

ということで、改めて『障害』という文字の表記について、根拠も提示させて頂きつつ当相談室の考え方をここに示したいと思います。

ちなみにyoutubeでショート動画にもしているので、「ええい文字が多い!」という方はこちらをご覧ください。

障害?障がい?障碍?について1分解説しています

動画内でも触れていますが、テーマは障害という表記について。障害と書いたり障碍、障がいとしたりと表記の揺れが大きいこの言葉。
僕自身は「障害」という言葉に果たして否定的な意味はあるのだろうか…?
と懐疑的でしたので、障害という表記を使っていました。漢字1つの扱いに神経質になる方が、よほど障害というものを特別視しており差別的なのかもしれないと思っていたからです。

と、自分でそう思っていたと考えたのですが、これは後付けかもしれません。
下に引用していますが、そのように解説して下さった先生がおられ…いつの間にか自分の記憶を書き換えていたのかも…。
人間って都合のよいものです。

実際には下記の本文にもある通り、知り合いのお偉方さんが「問題ない!」と言っていたので乗っかっていたという、長い物には巻かれろ的な安易な考えで使ってしまっていたところが大きいかもしれません。

これは一度自分で根拠を確認した方がいいよな…と思い、調べてみたという経緯のものです。
というわけで、以下本編です。

厚生労働省、国語分科会の見解

以前、当時勤めていた病院に外部講師として来られた先生が言っておられました。
院内で配られた書類が『障碍』表記になっていたことを受け
厚生労働省の最新の見解では、障害という表記で問題ないとなっている。こうした最新の情報を管理職の方々はもっと勉強された方がいいじゃないでしょうか」
と。

この先生、何度かお話をさせて頂いたことがあり、やりとりの中で信頼できる方と感じています。
そんな安易な理由ながら、この方が言われるならそうなんだろうと思い『障害』という漢字を使っておりました。

しかしこれは1つ大きな反省点
医療従事者というものは本来、エビデンス(根拠)をもとに行動すべきです。誰かが言ったから、というのはエビデンスでもなんでもありません。
というわけで、ここは1つ自分で調べてみることにしました。

一番の根っことなるであろう、厚生労働省の見解を探したわけです。
ところが…これがまあ、見つからない。

唯一、令和3年の文化庁が出した「障害」の表記に関する国語分科会の考え方というファイルを見つけることはできましたが…
これが…うーん…何を言いたいのか分からない。
すみません、僕の読解力の限界です。

というか、結論を頭に書いてください!国語分科会ならぜひ分かりやすい文章をお願いします!(魂の叫び)

まあ僕がなんとか解釈したこととしては…「デリケートな問題だしゆっくり議論するけどとりあえず保留ね!」というように読み取りました。
もちろんこんなフランクな言い方ではありませんが…。

令和三年ですし文化庁のものですので、僕が探そうとした厚生労働省の見解とは別物でしょうしね…いかんともしがたい。
ちなみに行政はといえば、自治体によって表記が異なるという状態。
うーん…「厚生労働省の見解ではOK」という話自体が間違いなのか、それともまだ定着していないだけなのか。

社会モデルを通しての解釈

個人的には、どんな言葉を遣おうと遣う人の気持ちが大事であって…こういうハッキリしないことがあると余計「なんだかめんどくさい分野」として敬遠されるんじゃないかと思ってしまいます。

なので、厚生労働省が「障害で問題ないと見解を出した」と聞いたときには、やるじゃん厚生労働省、と思ったわけですが(良い悪いはさておき、答えを出したこと自体に対し)。
調べても結局よく分からないという結果になってしまいました。

なんていうんですかね…簡単に決められる問題ではないということは分かるんですけど。
それにしても、少し調べただけでもこの1,2年で「当自治体では障碍と表記することに決めました!」というホームページがいくつかでてきます。

多分それまでに議論があったでしょうし、実際に表記を変えるにあたっていろいろとお金も時間も使うことになるわけで…。
なんか、他にエネルギーを使うべきことってあるんじゃないかって思ってしまいます。

と、考えながらいろいろ調べていたらこの記事がしっくりくる解説をしてくださっていました。

社会モデルを基に考えると「害の字を使うのは差別になる」という考え方自体が個人に障害を内在させてしまっていることになります。つまり「害があるのは社会の側なのだから、害の字を使うことに問題はない」という考え方に変化したのです。逆に言うと「害の字を使うのはよくない」という考えは、[害があるって表記されるのは気の毒(可哀想)だから“障がい”にしときましょう]と言ってるようにも聞こえます。

リンク先の菊池哲平教授の記事より引用

https://note.com/embed/notes/ne7d1a7d51639

ああそう!それ、そのようなことが言いたかったんですよ僕は!多分!
言語化してくれてありがとうございます…。

とはいえ、だからみんな「障害」を使おうぜ、で解決できる話でもないのが難しいところですが。
ただ改めて…調べるって大事だなと。
上で挙げた外部講師の先生を疑っているわけではなく、自分で根拠を取り込むというプロセスは踏まないといけないな、というお話です。
いろいろ勉強になった一件でした。

これについては本当にいろいろな見方がありますので「障害」が正しいという結論とも言いきれないわけではありますが…
僕としては、やはり表記にナーバスになるのも違和感があります。このような理由もあり、当相談室では引き続き「障害」という表記を使っていく考えです。

まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん

この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)

【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了

【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】

  • 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
  • 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
  • 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
  • 重症心身障害児・者リハビリテーション
  • 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
  • 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)

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