まのぱぺ相談室

『障害』という表記は避けるべき?調べてみました

こんにちは、まのです。

今回は3月ごろに僕がnoteにアップした記事を手直しして掲載したいと思います。
言ってしまうと転用なわけですが、とはいえ思いは今も変わりませんしイチから書き直すというのも目がパンパンに張り詰めてしまいそうですし…(最近は肩こりや腰痛より目の疲れが著しい今日この頃)
なにとぞご容赦くださいm(__)m

ちなみにyoutubeでショート動画にもしているので、「ええい文字が多い!」という方はこちらをご覧ください。

障害?障がい?障碍?について1分解説しています

テーマは障害という表記について。障害と書いたり障碍、障がいとしたりと表記の揺れが大きいこの言葉。
僕自身は「障害」という言葉に果たして否定的な意味はあるのだろうか…?
と懐疑的でしたので、障害という表記を使っていました。漢字1つの扱いに神経質になる方が、よほど障害というものを特別視しており差別的なのかもしれないと思っていたからです。

と、自分でそう思っていたと思ったんですが、これは後付けかもしれません。
下に引用していますが、そのように解説して下さった先生がおられ…いつの間にか自分の記憶を書き換えていたのかも…。
人間って都合のよいものです。

実際には下記の本文にもある通り、知り合いのお偉方さんが「問題ない!」と言っていたので乗っかっていたという、長い物には巻かれろ的な安易な考えで使ってしまってたところが大きいかもしれません。

これは一度自分で根拠を確認した方がいいよな…と思い、調べてみたという経緯のものです。
というわけで、以下本編です。

以前、当時勤めていた病院に外部講師として来られた先生が言っておられました。
院内で配られた書類が『障碍』表記になっていたことを受け
厚生労働省の最新の見解では、障害という表記で問題ないとなっている。こうした最新の情報を管理職の方々はもっと勉強された方がいいじゃないでしょうか」
と。

この先生、何度かお話をさせて頂いたことがあり、やりとりの中で信頼できる方と感じています。
そんな安易な理由ながら、この方が言われるならそうなんだろうと思い『障害』という漢字を使っておりました。

しかしこれは1つ大きな反省点
医療従事者というものは本来、エビデンス(根拠)をもとに行動すべきです。誰かが言ったから、というのはエビデンスでもなんでもありません。
というわけで、ここは1つ自分で調べてみることにしました。

一番の根っことなるであろう、厚生労働省の見解を探したわけです。
ところが…これがまあ、見つからない。

唯一、令和3年の文化庁が出した「障害」の表記に関する国語分科会の考え方というファイルを見つけることはできましたが…
これが…うーん…何を言いたいのか分からない。
すみません、僕の読解力の限界です。
というか、結論を頭に書いてください!国語分科会ならぜひ分かりやすい文章をお願いします!(魂の叫び)

まあ僕がなんとか解釈したこととしては…「デリケートな問題だしゆっくり議論するけどとりあえず保留ね!」というように読み取りました。
もちろんこんなフランクな言い方ではありませんが…。

令和三年ですし文化庁のものですので、僕が探そうとした厚生労働省の見解とは別物でしょうしね…いかんともしがたい。
ちなみに行政はといえば、自治体によって表記が異なるという状態。
うーん…「厚生労働省の見解ではOK」という話自体が間違いなのか、それともまだ定着していないだけなのか。

個人的には、どんな言葉を遣おうと遣う人の気持ちが大事であって…こういうハッキリしないことがあると余計「なんだかめんどくさい分野」として敬遠されるんじゃないかと思ってしまいます。
なので、厚生労働省が「障害で問題ないと見解を出した」と聞いたときには、やるじゃん厚生労働省、と思ったわけですが(良い悪いはさておき、答えを出したこと自体に対し)。
調べても結局よく分からないという結果になってしまいました。

なんていうんですかね…簡単に決められる問題ではないということは分かるんですけど。
それにしても、少し調べただけでもこの1,2年で「当自治体では障碍と表記することに決めました!」というホームページがいくつかでてきます。

多分それまでに議論があったでしょうし、実際に表記を変えるにあたっていろいろとお金も時間も使うことになるわけで…。
なんか、他にエネルギーを使うべきことってあるんじゃないかって思ってしまいます。

と、考えながらいろいろ調べていたらこの記事がしっくりくる解説をしてくださっていました。

社会モデルを基に考えると「害の字を使うのは差別になる」という考え方自体が個人に障害を内在させてしまっていることになります。つまり「害があるのは社会の側なのだから、害の字を使うことに問題はない」という考え方に変化したのです。逆に言うと「害の字を使うのはよくない」という考えは、[害があるって表記されるのは気の毒(可哀想)だから“障がい”にしときましょう]と言ってるようにも聞こえます。

リンク先の菊池哲平教授の記事より引用

https://note.com/embed/notes/ne7d1a7d51639

ああそう!それ、そのようなことが言いたかったんですよ僕は!多分!
言語化してくれてありがとうございます…。

とはいえ、だからみんな「障害」を使おうぜ、で解決できる話でもないのが難しいところですが。
ただ改めて…調べるって大事だなと。
上で挙げた外部講師の先生を疑っているわけではなく、自分で根拠を取り込むというプロセスは踏まないといけないな、というお話です。
いろいろ勉強になった一件でした。

以上noteの記事を再修正して掲載いたしました。
いろいろな見方がありますので「障害」が正しいという結論とも言いきれないわけではありますが…
僕としては、やはり表記にナーバスになるのも違和感があります。このような理由もあり、当相談室では引き続き「障害」という表記を使っていく考えです。

まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん

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