こんにちは、言語聴覚士・公認心理師のまのです。
毎日のお子さんとの関わり、本当にお疲れ様です。
子育てをしていると、「もう、ちゃんとして!」「ちょっと待っててって言ってるでしょ!」と、ついイライラして声を荒げてしまうこと、きっとどなたにでもあるのではないでしょうか。
そしてその後で、「また怒ってしまった…」と自己嫌悪に陥る。
これは、真面目で優しい親御さんほど陥りやすいループです。
でも実はそれ、親御さんの愛情不足でも、お子さんの性格の問題でもありません。
多くの場合、「大人と子どもの間にある、ちょっとした視点(感覚)のズレ」が原因だったりします。
今日は、そのズレに気づき、明日からの子育てがスッと楽になる「3つの専門的な視点」をお伝えしたいと思います。
視点①:子どもにとっての「5分」は永遠?時間感覚の違い
家事や仕事で忙しい時、お子さんに「ちょっと待ってて!」「あと5分遊んだらおしまいね」と声をかける場面は多いと思います。しかし、お子さんが全然待てずにグズってしまうことはありませんか?
児童精神分析の創始者であるアンナ・フロイトは、こんな言葉を残しています。 「2〜3歳のお子さんにとって、2日半の別れは永遠の別れに近い」
大人にとっての2〜3日は「ちょっとの期間」ですが、子どもにとっては「もう永遠に帰ってこないかもしれない」と感じるほど長く、酷な時間なのです。 同じように、大人が感じる「あと5分」は、子どもにとっては果てしなく長い時間に感じられています。
「なぜこの子は少しの時間も待てないの?」とイライラしてしまった時は、「大人の物差し(時間感覚)で測らない」という言葉を思い出してみるのも一つです。
「そっか、この子にとっての5分は、大人の1時間くらいに長く感じているんだな」と想像するだけで、イライラが少し「理解」に変わるかもしれません。
※このお話は、こちらのショート動画でも解説しています↓
視点②:「ちゃんとして!」は指示出しの放棄?
発達障害のある方から相談を受けていると、よく耳にするのが「『ちゃんとして』『落ち着いてやればできる』と言われるけれど、それが分からなくて辛い」というお悩みです。
実はこれ、発達障害の特性の有無に関わらず、誰にとっても難しい指示です。
例えば、作文が苦手な大人に対して「仕事の書類をちゃんとして」と言っても、具体的なポイントを伝えないと適切な文章は書けませんよね。
ちゃんとして」という言葉は、指示をする側が「相手の立場に立って、具体的にどう動けばいいのかを言葉にする努力」を放棄してしまった時に出る言葉と言えます。
いっそのこと、法律で「ちゃんとして」という言葉を禁止してみたらどうでしょう?
(暴論ですが笑)
そうすれば、一人ひとりが相手の立場を想像し、「ここは〇〇だから、こう動いてね」と具体的に伝えるようになり、結果的にSNSの誹謗中傷なんかも減って良いことづくめかもしれません。
子育てでも、「ちゃんとして!」と言いたくなった時は、「あ、今自分は言語化をサボりそうになったな」と立ち止まり、「靴を揃えてね」「声のボリュームを小さくしてね」と具体的な行動に言い換えてみる。これも大切な作戦の一つです。
それだけで、お子さんはグッと動きやすくなります。
(国会議員の皆さん、この「ちゃんとして禁止法案」のアイデアを使っていいので、みんなが元気になるように”ちゃんと”やってくださいね!…あれ?)
※このお話は、こちらのショート動画でも解説しています↓
視点③:スマホ育児の本当の注意点「母親参照」とは
最後は、現代の子育てで避けては通れない「スマホ」についてのお話です。
小児科の先生から伺った、非常に印象深いお話があります。
赤ちゃんは、初めて見るものや不安な場面に出会った時、パッとお母さん(やお父さん)の顔を見ます。
そして、親の表情を見て「あ、これは安全なんだ」「これは危ないんだな」と判断します。 これを専門用語で「母親参照(社会的参照)」と言います。
スマホで動画を見せること自体が絶対的な悪というわけではありません。
ただ、親子で並んで同じ画面(スマホ)を見ている時間が長くなると、この「顔と顔を合わせるコミュニケーション(母親参照の機会)」が、一昔前より減ってしまう可能性があります。
お子さんは、親御さんの表情という「鏡」を通して世界を安全なものだと学んでいきます。
「スマホ育児をしてしまっている…」と過剰に罪悪感を抱く必要はありませんが、動画を見せた後はしっかり顔を見合わせて笑い合うなど、「表情でのコミュニケーションのバランス」を少しだけ意識する、これもまた大切な視点の一つですね。
※このお話は、こちらのショート動画でも解説しています↓
まとめ:まのぱぺちゃんねるで「ゆるく」学んでみませんか?
いかがでしたでしょうか。 子育ては毎日が綱渡りで、大人が余裕をなくしてしまうのは当然のことです。
そんな時、今回ご紹介したような「心理の専門的な視点」が、皆さんの心を少しでも軽くするお守りになれば嬉しいです。
僕が運営しているYouTubeチャンネル「まのぱぺちゃんねる」では、今回ご紹介したような、発達障害や子育てに関する正しい知識を「清く、正しく、面白く!」発信しています。
落ち込んでいる時や疲れている時でも見やすいように、テンション控えめでゆるくお話ししていますので、家事の合間やホッと一息つきたい時に、ぜひ覗いてみてくださいね。
(たまーに、医療倫理の観点から怒り散らかしているブラックまのも登場しますが、どうかご容赦ください!笑)
また、当相談室の本体でもあるオンラインカウンセリングももちろんいつでもご相談をお待ちしております。
1人で抱え込むことなく、日本全国どこからでも相談できる専門家としてあたなのお力になれましたら幸いです。
それでは、今日も1日、本当にお疲れ様でした。
この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)
【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了
【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】
- 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
- 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
- 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
- 重症心身障害児・者リハビリテーション
- 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
- 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)
【リアルタイムでの活動・告知】
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