こんにちは、言語聴覚士・公認心理師のまのです。
今日は皆様に、個人的にすごくワクワクしつつ悪戦苦闘している件についてのお知らせがあります。
今年6月末に開催される「日本言語聴覚士学会」にて、ポスター発表を行う予定でして。
今回は、なぜ僕がこの発表を行うのか、その背景にある思いや現在の奮闘ぶり(笑)についてお話しさせて頂けたらと思います。
10年後、20年後の「答え合わせ」を伝えたい
僕はこれまで言語聴覚士として、主に病院などの小児領域で長くお子さんたちと関わってきました。
目の前のお子さんが今抱えている困りごとを解決していくサポートは、もちろんすごく大切です。
ですが忘れてはいけないのは、一番大切なのは「この子たちが10年後、20年後に、大人として社会を生きていくために」という視点なんですよね。
しかし実際のところ、小児領域で働く言語聴覚士が、お子さんが大人になってからの「その後(社会でのリアルな姿)」を長期的にフォローできる機会は決して多くありません。
今、僕はこのまのぱぺ相談室というオンラインの場で、大人になった発達障害(疑い含む)の方々から、仕事や恋愛、家庭環境といった多岐にわたるディープなお悩みを数多く伺っています。
これは、病院の小児領域に勤めているだけでは絶対に見えなかったリアルな生の声です。
大人になってから社会でどんなことに躓き、何に苦しんでいるのか。
その「未来の答え合わせ」のような生の声を、今まさに小児の現場で頑張っている言語聴覚士の皆さんに共有することで、これからの支援の形に新しい発見が生まれるんじゃないか。
そう思ったのが、今回のテーマを選んだ一番の理由です。
二刀流だからこそ見えた、DoingとBeing
もう一つ、今回の発表には公認心理師の資格を取ったことで広がった視点も盛り込んでいます。
言語聴覚士はどうしても、発達の特性や言語の遅れ、不器用さといった「機能(having)」に目が向きがちです。
これは長年僕が言語聴覚士として勤めてきた臨床を振り返ったときの、反省を含んだ視点でもあります。
しかし公認心理師としての視点を学んだことで、一見すると発達の特性に見えるコミュニケーションの不器用さが、実は愛着形成の課題から来ていたり、知的機能は高いのに心理的な不安から本来のパフォーマンスが出せていないお子さんがたくさんいることに気がつきました。
機能的なスキルだけでなく、その子の安心や自己肯定感(Being)に目を向けること。
この二刀流だからこそ得られた視点を、言語聴覚士の学会で発表することにはすごく大きな意義があると感じています。
言語聴覚士の場に、心理という少し外の視点をもちこむことは勇気もいるのですが…しかしこうして多様な見解が入ることも学会の醍醐味であり、必要性でもあると思っています。
今回の発表、要するにどういうこと?(超訳)
学会の規約(ルール)などもあるため、学会に提出する詳しい資料や「抄録(専門的な要約)」の掲載は今回控えさせて頂きます。
その代わり、今回の発表内容をざっくりと「超訳」してお伝えします。
ズバリ、僕が伝えたいのはこんなお話です。
『大人になってから社会でしんどくなるのは、スキルの不足だけじゃなくて「自己肯定感の低さ」がめちゃくちゃ絡んでいるよ。だから子どもの頃から関わる言語聴覚士は、ただ機能訓練をするんじゃなくて、親御さんを支えて、家庭を「失敗しても大丈夫な安全基地」にしていく支援が大切だよ!』
つまり、言葉や学習の遅れを取り戻すこと(Doing)と同じくらい、あるいはそれ以上に、「ありのままの自分が受け入れられている」という安心感(Being)の土台を小さいうちから作っておくことが、将来の大きな躓きを防ぐ最大の予防策になる、ということです。
幼少期に家庭の中で「たくさん失敗して、それでも味方でいてもらえた」という愛着の蓄積があるからこそ、大人の社会に出たときに、少々のことで折れない強い心が育ちます。
訓練室の中だけで完結する関わりではなく、親御さんがお子さんの特性を深く理解し、受容的に関わっていけるように家庭全体を丸ごと支えていく。
そんな機能的成長と心理的受容が心地よく循環するような小児期の支援こそが、子どもたちの豊かな未来を創るのだと、今回の発表を通じて発信したいと思っています。
地元・広島での「ホームゲーム」にワクワク!
そんな想いをもって臨む今回の学会ですが、実は僕がこれほどワクワクしているのには、もう一つ大きな理由があります。
言語聴覚士学会は、毎年1回、日本全国のさまざまな都道府県を回って開催されます。
それが今回、なんと僕の地元である広島県で開催されるんです!
全国規模の学会が自分の地元で開催されるというのは、本当に滅多にない貴重な機会です。
全国各地で頑張っている知り合いの言語聴覚士が、わざわざ広島に集まってきてくれる。
そして久しぶりに直接会って、専門的な話からワイワイと他愛のない話までできる。
(正直、後者の方がメインです)
「広島でみんなに会える!」というこの楽しみが、今の僕の大きな原動力になっています。
フリーランス、初めてのポスター発表に悪戦苦闘
と、勢いよくご報告しましたが、実は今、その舞台裏で絶賛大苦戦中です。
今まで口頭(オーラル)での発表は何度か経験があるのですが、ポスター発表は完全に初めてなんですよね。
口頭発表では、パワーポイントを使って聴衆の方へ伝えるスタイルですので資料が多少わかりにくくても口で喋ってフォローできます。
一方ポスターは、文字通りポスターを掲示して見て頂く、というのがメインの方法です。
つまり、パッと見の視覚的なわかりやすさが命。
しかも僕は今フリーランスなので、病院時代のように「先輩、これどうですかね?」と気軽に横の席で聞ける上司がいません。
幸い、同期から過去のポスターのデータをもらって参考にさせてもらったり、関わりのある方々にアドバイスをもらったりしながら、独学と試行錯誤で探り探り作っています。
加えて励みになるのが、たまたまですが同期も今回初めてのポスター発表に取り組む人がいて、相談しながら続けることができています。
こうして準備をしていくのは骨が折れることでもありますが、学祭の準備のようでもありちょっとした達成感や本番に向けての高揚感もあります。
学会を通じて勉強になること、刺激をもらえることがたくさんあるのももちろんのこと、こうして自分の考えをまとめて発表するという経緯の中にこそ、得られているものがたくさんあるのだなと改めて感じています。
なんだかんだ、大変だけど楽しくもあるんですよね。
全ては、目の前のあなたのために
いろいろと裏側の苦悩も書きましたが、学会で発表して自己満足で終わってしまってはもったいないものです。
最大の目的はこの研究を通じて僕自身が言語聴覚士・公認心理師としてさらにアップデートし、それを日々のまのぱぺ相談室でのカウンセリングに還元していくこと。
そこは忘れないようにしないといけないですね。
発達障害と付き合いながら生きる大人の方も、今まさに子育てに悩んでいる親御さんも、10年後、20年後、さらにその先の未来までもが豊かなものになるように。
そんな祈りを込めて、初めてのポスター発表の準備を引き続き頑張りたいと思います!
詳しい発表の様子などについては、学会終了後にまたご報告させていただきますね。
それでは、最後まで読んで下さりありがとうございました(*‘∀‘)
この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)
【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了
【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】
- 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
- 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
- 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
- 重症心身障害児・者リハビリテーション
- 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
- 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)
【リアルタイムでの活動・告知】
※ライブ配信のスケジュールやはTiktokのストーリーでお知らせしています。

