こんにちは、まのです。
少し前になるのですが、僕が運営しているyoutubeチャンネルでアップした動画を掲載&内容についてお話ししたいと思います。
タイトルにもある知能検査や発達検査に関して、ご相談の中で話題として上がることがたびたびあります。
もちろんその方の特性を知るために有益な手がかりとなるものであり、話題が出ること自体は全く悪いことではありません。
ただ気になるのは、結果に対してすごく落ち込まれたり、頭から離れずうなされるほどショックを受けたというお話を聴くことが珍しくないということです。
当然といえば当然ですよね…自分の知能を数字として出される。なかなかに衝撃的だし、考えようによってはデリカシーが無いようなやり方なのかもしれません。
僕自身、WAISやWISC、高次脳機能障害の検査や学習障害の検査などその他もろもろ、ひと通りの検査を行っていた側の人間ですのでこれら検査の活用法は心得ているつもりですが…
同時に検査は、使い方次第で両刃となる面もあります。
知能検査をとるメリットとして、発達障害(神経発達症)や高次脳機能障害などに関連して、その方の特性を整理するという点で優れた方法であることには違いないのですが。
一方併存するのが、自分の知能を数字として出されることが、ショックを受けたり過剰に反応(良い面も悪い面も)してしまったりという原因になる場合もあるというリスクです。
まさしく冒頭で挙げたような例ですね。
検査をとる側の人間としては、検査を受けた方に知能検査の不確実な部分についても説明する必要があるのですが…実際には残念なことに、数値としての結果やその解釈にばかり目が向けられがちです。
しかし、IQは確定的な数字ではありませんし、知能検査も万全な方法とは言いきれないところがあります。
特に今回僕が動画で取り上げた、信頼区間という概念は知っておくと検査の見方が大きく変わるものでもあると思います。
動画を見ている時間が無い!という方のために、信頼区間の概要だけ少し触れておきますが…
すごくカンタンに書いてしまうと、90%信頼区間というのは
・100というIQが出たとして、その方のIQが100と決まるわけではないよ
・そのときの調子や得意な問題、検査者との相性などで結果は変わるよ
・でも90%の確率で91~106の間には入るよ(数値は適当です)
と、いうことを表したものです。厳密には統計学ガチ勢の方からするとツッコミどころのある説明かもしれません…ご容赦ください。
ともかく動画の中でも触れていますが、検査結果はブレるものであり、そもそも確定的な数値を出すためのものとして作られていないわけです。
それをフォローするために、WAISやWISCでは信頼区間という幅が設定されています。
知能検査は傾向を知るために有効な手段ですが、数値にネガティブにこだわりすぎたり、あるいは数値を上げることが目的になってしまっては本来の目的が果たせません。
本来の目的はその方(子)にあった支援や力の活かし方を知ることですのでね…
乱暴な言い方かもしれませんが、「しょせん検査」と言うことだってできます。 大切なのは検査の結果を適切に解釈し、自分に良いように活かすことですので… 今回の記事や動画がそうした考え方のきっかけの1つとなれば幸いです。
まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん