まのぱぺ相談室

きみたちは可能性の塊

世の中は発達障害かそうでないかの二択ではない

こんにちは、まのです。

今日は最近相談を受けていて感じた、残念な風潮についてお書きしたいと思います…正直に言うとちょっと怒っています。そう書くとなんだか怖いので、ぷちオコです。
いや実際には激オコかも…いえ、あまり読む方を怖がらせはいけませんので…ひとまずここはぷちオコ、ということにしておいてください。

不適切なカウンセリングは人を傷つけるリスクがある

なんの話かと言いますと、非常に残念なことながらカウンセラーが原因で心に傷を負ってしまった…というご相談がここのところ何度かあり。
もちろん、僕が耳にするお話しは相談者さん側からの視点の内容のみになりますので…もしかしたらカウンセラーさんにも言い分というものがあるかもしれません。
ただ、結果として精神的に深く追い詰められ、お金を支払ってでも相談したいという方が複数僕のところへ申し込まれたのは事実です。その事実は真摯に受け止めなければいけないでしょう。

実際のところ、不適切なカウンセリングが原因と思われる相談というのは定期的に頂きます。あえて『不適切』と断言したのは、カウンセリングというもの自体が危ないものだと思われてしまうことを避けるためです。

世の中には、適切なカウンセリングをもって相談者さんの助けになり続けているカウンセラーさんが数多く活躍されています。むしろ、大半のカウンセラーさんがそうであると願いたいです。
一方で今回挙げさせて頂く話題は、どう好意的に捉えようとしてもかばいきれないと言いますか…カウンセラー側の勉強不足や配慮不足、想像力の不足が原因ではないかなと思ってしまうようなケースです。

もちろん僕自身もまだまだ勉強が必要であり、これらのようなケースを教訓にしないといけないと思っています。偉そうに言える立場ではないんですが…それにしても、ということで書かずにはいられませんでした。

世の中は発達障害かそうでないかの二択ではない

さて、ここからタイトルにも挙げたお話しに入っていきます。本題ですね。
最近僕が多いなと思い、大変残念に思っているケースは…『あまりに安易に相談者の方や、相談者の身の回りの方を発達障害だと決めつけるカウンセラー』です。

ちなみに相談者さんからお聞きする限り、臨床心理士や公認心理師といった心理の専門職としての国家資格またはほぼ同等の資格をもっている方から、不適切なカウンセリングを受けたというケースはさすがに少ないようでした。

カウンセラーという名称は、数週間の講習後に名乗れる民間資格を使ったものや、あるいは心理を専門とはしていないものの医療・福祉業界での経験から名乗る方もおられるなど…良くも悪くも門戸は広いのです。

基本的には、資格でカウンセラーの能力全てが測れるわけではないのはもちろんのことですが…相談者さんたちのお話しをお聞きしているとやはりいろいろと考えてしまうところがあります。
どうしても、全体を比較すると確率として差が出てしまうかな…という印象は否めません。

僕の私見にはなりますが…話を聞いてすぐに発達障害かどうか判断できるほど、人間はシンプルなものではありません。
僕は発達障害のお子さんから大人の方まで、十年以上向き合う仕事をしてきましたが、勉強して経験を積めば積むほど人というものの多様さや可能性の広さを感じてきました。

反省もこめて例に出すと、セラピストとして駆け出しの頃の方が発達障害というものを分かったような気でいました。
ですが、言語聴覚士として心理師として、経験を積み視野も広がっていったことで当時の自分には見えていないもの、知らないものがすごくあったのだと感じています。

あまり障害名や特性を羅列して、かえって読まれている方の不安を煽ってしまうのは不本意ですので…具体的なものを挙げるのは控えますが。一見して、『通常はない言動』というものには本当に様々な可能性が考えられます。
もちろん、障害といったものではなく、全く心配のいらないものも多く含めてのことです。

にも関わらず、『何か少しでも変わった言動』の原因をなんでもかんでも発達障害に求めてしまうカウンセラーの方がおられるということで。
『あなたは発達障害グレーゾーンです』あるいは『あなたが苦労しているのは家族が発達障害だからです』などなど…僕がお話しをお聞きする限り、あまりに根拠なく決めつけ、その結果相談した方が強い混乱やショックを起こしたという方の相談を複数人お受けしました。
精神的に追い詰められ、藁にもすがる思いで相談した結果がこれでは…深く傷つくのも無理はありません。

僕がこのお話しをお聞きしていて思ったのは正直なところ、そのカウンセラーさんの引き出しの問題ではないかということです。
多様な相談者さんの悩みや不安に対し…カウンセラー側が引き出しを増やすことなく簡単に解決できる方法は、自分の分かる(分かったつもりでいる)領域で勝負することです。

カウンセラー側に柔軟な対応の難しさがあるからこそ、結論を全て発達障害のせいにしてしまっているのでは…と、これら一連の件ではそんな風に感じずにいられませんでした。
まるで心の悩みがある人、何かしらうまくいかないことがある人、あるいはその原因となっている人は全員発達障害だ、とでも言うかのような…大げさに聞こえるかもしれませんが、それぐらい偏った考えにも感じてしまうことがあります。

僕のこの想像が当たってしまっているとすれば、それはものすごく悲しいことですし、同業者として心苦しくもあります。
いかに自分の決めつけが相談者の方を苦しめるかもしれないか、自分自身を省みることの大切さを改めて感じました。

相談することをやめないでほしい

最後に…僕が一番怖いと思うのは、こうした不適切なカウンセリングや相談を経験してしまったがために、次に苦しいときに相談という選択肢が取れないという方が増えることです。
カウンセリング自体を不審に思ったり、恐怖を感じるという状態ですね。

どうか、必要なときは僕でも他の信頼できるカウンセラーさんでも構いませんので、苦しいときは助けを求めるという選択肢を捨てないでください。

カウンセラーも人であり、相性やコンディション、言葉のあやというものも存在してしまいます。
100%完全に誤らないというものは難しいながらも、あなたのために尽力できるカウンセラーは必ずいます。
苦しいときほど、助けを求めることを大切にしてほしいと切に願います。

まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん

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