こんにちは、まのです。
今回のテーマはタイトルに挙げました通り、子どもに家事やスポーツなどを教えるためのちょっとしたコツです。および、せっかくですのでそのコツと絡めて幼児期~学童期にかけてのお子さんの心の成長についても少し触れてみたいと思います。
お伝えするコツはただ1つですし、めちゃくちゃカンタンで本当に誰にでもできることですので保護者の方や、教育関係者の方、医療従事者の方など誰でも取り入れられます。
対象年齢としては、主には幼児期から小学生ぐらいが対象でしょうか。この辺はお子さんのキャラクターなども影響して前後しますが。
また、神経発達症(発達障害)の有無にも関わらずほぼ全てのお子さんに有効と言えるコツですのでどなたも知っておいて損は無いかと思います。
…あまりハードルを上げすぎるのもなんですが。
さて、本題に入る…その前に簡単に前置きだけさせて下さい。
あまりテクニックを紹介しない理由
僕のコラムをたびたび読んで下さっている方はご存知かと思いますが、僕はあまり『〇〇のときはこうしたらいい』という方法を書かないようにしています。
理由としては、昨今あまりにもyoutubeやSNSを通じて『○○しないと危険』『○○の方法△選』といった情報が溢れすぎており…発信後のフォローができない一方通行の中で、言いすぎることをあまりよく思っていないためです。
たとえば僕自身の経験で言えば、二十代中盤ぐらいの頃に職場の先輩から机が片づけられないことを指摘され…僕なりに片づけテクニックの本など買いあさり試行錯誤しましたが、どうにも効果が出ず「自分はなんてダメなんだ」「努力が足りないんだ」と大いに落ち込んだものです。
この当時の僕が気づいていなかったことは、努力は確かに大切ですがその方法を誤ると良い方向には向かわないということです。
そして、努力の適切な方法というのはその人その人で違います。ただ、この自分に合った努力の仕方、というものが自分で気づくのが難しいわけで…。
当まのぱぺ相談室のカウンセリングなどのように、一対一で検討していくと見つけやすかったりはするんですが、その方法はハードルが高い(費用や気持ち、時間といった面で)という方も多いと思います。
そんな中で便利なのが本や動画で紹介されている方法を実践してみる、というやり方です。
ですので、そういった発信があるおかげで気軽に自分に合う方法を試行錯誤できる、というメリットもあるためそれらを全面的に否定するつもりはありません。
ただ僕自身が発信する際は、やはり責任もってお届けできるものが良いなと考えている…個人的なこだわりと言ってもいいのかもしれません。
(こう書くと世の中の発信者の方々が無責任、みたいな表現になってしまいますが…難しい)
情報を拾うことでプラスにもできるし、ときにネガティブな食らい方をして必要の無かった不安を抱えることもある…。
誰でも手軽に情報を発信できる・触れられることの功罪と言えるのではないかな、というところです。
と、このようなこだわりがあるため当コラムではテクニックをガンガン紹介するということはしていないんですが…とはいえ今回取り上げる方法はかなり使い勝手が良く、少なくとも誰かのデメリットにはなりづらい方法だと思っています。
前置きが長くなってしまいましたが、以下からようやく本題に入っていきますね。
子どもに教えるときは「自分にもできそう」が大切
さて、タイトルにも挙げたような家事やスポーツを教える場面で、大人がお手本を示すときってありますね。
たとえば服のボタンを留めるとき、折り紙を折るとき、初めて見るパズルを解くとき…場面はなんでも良いです。
あらゆる場面で言えることですが…意外と大人側が行いがちなのが、お手本の示し方が早いということです。
大人が自分のペースでパッとやって見せる手本は、ときに子どもから見ると何が起きているのか分からず、まるで大人だけが扱える魔法のように映ってしまいます。
子どもはもう少しでできそうなことが一番楽しく、学びたいと強く思うことができます。
専門用語で発達の最近接領域という言葉もありますが、子どもにとって『まだ完全に1人ではできないけどあと一歩でできそうなこと』というものに対して一番モチベーションが高まるということが知られています。
たとえばテレビゲームなどはこれを有効に使っている場面ではないでしょうか。
昔ながらのマリオで言えば、一面から進んでいくと徐々に難易度が上がっていきます。途中、難しくてクリアできない面に当たったとすれば、そこがまさに最近接領域なわけですが…繰り返し練習し、上達することでクリアできるようになります。
この、「ちょっと難しいんだけど頑張ればクリアできる」というラインが一番プレイしていて面白く、マリオなどの名作と言われるゲームはこのラインの設定が絶妙というわけです。
たとえば1面からものすごく難しく、100回やってもクリアできる気がしない難易度であれば、多くのお子さんはそこでゲームをやめてしまうでしょう。残念ながら大抵の場合、クソゲーと揶揄されたりします。
(一部、こうしたゲームの方が燃えるという方もおられるかもしれませんが…)
また、反対に簡単すぎても子どもは飽きてしまいます。程よい歯ごたえと達成感…それが、モチベーションをアップするために非常に重要な役割をもっているということですね。
万能感から努力へ 子どもの心の成長
さて、日常のことに話を戻しますと、大人の手本の見せ方によってはその課題はマリオのような魅力的な挑戦にも、クソゲーと言われるようなハナからやりたくなくなるような作業にも見せることができる、ということです。
どんな場面でもそうですが、子どもに「少し頑張ったら自分にもできそう」と思ってもらえること。
これが大事であり、そのためには手本をゆっくり示すということがコツの1つと言えます。
先にも書いた通り、大人が自分のパッとやって見せる手本は、子どもから見ると何が何やらの魔法のように映ってしまいます。自分には到底できそうもない、と感じるきっかけになることがあるんですね。
頑張ってもできないことって、誰でもそうですが特に子どもは嫌がります。
特に幼児期から小学校低学年ぐらいのお子さんは自分をヒーローに見立てて遊ぶなど、自分が絶対的になんでもできる存在なんだ、という確信をもっている時期です。
専門的な言葉では万能感という言い方をします。
幼児期の子どもはこの万能感に守られているからこそ、成長していくうえでのあらゆる経験、場面に対してチャレンジをすることができます。
ですが成長とともにできないこともあると学んでいくわけで…だんだんと「自分はヒーローじゃない」と気づきます。
そして、小学生時代では成長のためには努力が大切なんだ、と気づき心が成長していく時期であるわけですが…このお話しは一旦この辺で。
そうして、人前でヒーローごっこは恥ずかしい、と思い今度は誰の前でもするのではなく部屋で一人こっそり楽しんで現実とのギャップを埋めたり…そういう、「なんでもできると信じたいと葛藤しながらも、人それぞれ得手不得手があるから頑張るんだ、と努力の大切さを知っていく時期」が幼児期~学童期ごろの心の動きです。
「自分はなんでもできる」が、「自分は頑張ればできる」に変わっていく時期なんですね。
この移行期では、自分の無力さや大人との差を実感する課題って特にやりたくないものです。まだ自分自身というものが掴めていない中で、到底できそうもない課題に挑戦するというのは万能であるはずの自分が否定されることにつながります。
ですので、泣いて嫌がったりそこから逃げ出したり、別の楽しい遊びへと向かったり、あるいは一見挑戦しているけどもヤケクソだったり…大人から見ればできるはずの課題であっても、本人が「できるわけない」と思い込んでしまえばそこで挑戦が終わってしまうんです。
もう少し心が成長して努力のイメージがついてくると、多少難しい課題にも粘り強く頑張ろうという気持ちも生まれてきますがこれも限度があります。やはりあまりに難易度が高すぎる課題はモチベーションが下がりますし、いつまで経ってもできない課題を続けるというのは自信を失う原因にもなるわけです。
ですので大げさにならない程度にゆっくり、その動きを手本として見せてあげる。できれば楽しそうに、全て子どもでするのが難しければ取っ掛かりを手伝ってあげるなど…これだけでも何も意識しないで手本を示すより、大きな違いを生むことがあります。
実はこの理屈は、お手本だけでなくあらゆる練習や学習のステップの踏み方にも同様のことが言えます。
勉強であろうとスポーツであろうと、大切なのはいかに「もう少しでできそう」という適度な難易度の課題を用意するかというところです。
同じ課題であっても、どれぐらい助けがあればできそうなのか、どんなヒントや環境設定があれば程よい難易度になるのか…この難易度が高すぎると苦痛ですし、低すぎるとつまらないというわけです。
なんとも贅沢な話に聞こえるかもしれませんが…考えてみれば大人も同様ではないでしょうか。
いくら「今日から英会話を頑張ろう」と燃えている人がいたとしても、初日からネイティブのアメリカ人から一方的に話しかけられる授業は苦痛でしょう。
反対に、「ディスイズアペン」「ハロー」ばかりの授業も退屈というものです。
やはり続けたいと思う授業は、適度に理解できつつも「おお、これは新しい発見だ」「なるほどなんとか分かってきた」ぐらいの歯ごたえですよね。
というわけで、いろいろと脱線しつつもお話ししてきましたが今回のコラムは以上です。
お子さんにお手本を示したり、何かを教える際、少しばかり意識してもらえると新しい発見があるかもしれかません☆
この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)
【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了
【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】
- 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
- 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
- 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
- 重症心身障害児・者リハビリテーション
- 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
- 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)
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