こんにちは、まのです。
今回はなんともマニアックというか、かなり限定的なお話しになるのですが…ADHDの診断を受けている僕自身の体験談として意義があるかなと思い書かせて頂きます。
正直ちょっと箸休め的な記事になるかなと思っています(^_^;)
そのマニアックなテーマというのはタイトルにもある通り、ADHD特性がありながらウーバーイーツの仕事はできるのか?
ということ。
もちろんイエスかノーかで言えばイエスです。ウーバーイーツは自転車か原付などバイクが運転できるなら誰でも始められる資格があります。
ただ、ADHD特性という観点から見たとき、不利にはたらく場面があるのかどうか。あるいはかえって向いていたりするのか?
ということについて、僕自身の体験をもとに感じたことを書いていこうと思います。
(ちなみに僕自身がドライバーをしていたのは一年以上前の話ですので…最新の状況と違う箇所などがあるかもしれないことはご容赦ください)
ウーバーイーツドライバーって誰でもできますから…もし検討されている方ご自身や知り合いで、ADHD特性があるという方がおられましたら参考になれば幸いです。
それだけでなく、ADHDという特性についても理解の深まる記事になればと思っております。
気になった方は読んでみてもらえると幸いです☆
(ちなみに僕が知っているのがウーバーイーツだけなのでこう書いていますが、恐らく他の出前館やウォルトといった同業他社でも同様のことが言えるのかな、と想像しています)
ウーバーイーツドライバーをする上でのADHD的不安
ADHD特性という観点から見たときに…
①不注意や衝動性といった特性が事故などのリスクになりえるのでは?
②多動傾向は影響があるのか?
③その他の行動特性の影響は?(先延ばし傾向や空間把握能力の弱さ、飽きやすさやモチベーションのムラなど)
といった心配があるかもしれません。
ちなみにADHDといってもかなり特性は個人差があるので、むしろ空間把握能力に長けている方、多動はほとんど目立たないという方などそれぞれであることは付け加えておきます。
まずはこうした懸念について、僕が身をもって経験したこと。また、一般的なADHD特性と照らし合わせて考えられることを書いていきたいと思います。
結論から言うと、個人的にはけっこう合う
早速の明朗会計、分かりやすく結論からいきますと。はい、僕個人としてはけっこう合うタスクだと思いました。
タスク、と表現したのは『仕事』として見ると金銭的に割に合うかどうかといった要因が絡んでくるので…そこは個人の捉え方や恐らく地域差なども大きいと思いますし、一旦置いておいて。
行うタスク自体は、ADHDと相性が良いのかもと思いました。
まず上記で触れておいた懸念点につきましては、②の多動傾向であったり③の飽きやすさやモチベーションのムラといった点に対して相性が良いと感じました。
というのも、ウーバーイーツの配達システムってかなり配達者のモチベーションを巧みにアップさせる仕組みが作られている、と僕自身が配達していて感じたからです。
分かりやすく一言で表現するならザ・ゲーム感覚。
どういった特性と相性が良いか、次の項から順に見ていきましょう。
ウーバーイーツの配達システムは動機付けの工夫が施されている
まず多動傾向について。
多動と言っても、これも意味されるものはけっこう広かったりしますが…見るからに体が動くことを指したり、常に指先など小さな刺激を求めるのも多動の一部と言えるでしょう。じっとして単調なことに集中を持続させることが苦手、というのも多動のニュアンスを含みます。
そして単調な作業に集中することが苦手…というのは、言い換えると飽きっぽさを表すものとも言えそうです。
これらの点についてウーバーイーツなどの配達業務では問題にならない場合が多いのです。その理由はざっと次の通り。
①そもそも動き続けるのでじっとしなくていい
②一人の時間が長いため、そわそわしたり手癖があったりしても問題になりにくい
③常に配達先、受注先が変わるので刺激も多い
④次の行き先が読めないのでマンネリしづらい
⑤報酬額もランダム性が強いためマンネリしづらい
⑥細かい作業が無い
➆休憩をとるタイミングや朝中心に動くか夜中心に働くか、など自分のリズムで働ける
⑧対面でお礼を言ってもらえる
などなど…他にもありそうですがひとまずこれぐらいにします。
①や②の『動き続ける仕事であること』『一人の時間が長い仕事であること』というのは、配達業務をしたことが無い方でも想像しやすいのではないでしょうか。
ちょっと補足が必要なところして、まず③と④に触れますね。
ウーバーイーツなどのデリバリーアプリは、お客さんが注文をすると待機中ドライバーに通知が飛ぶという流れになっています。
お客さんの注文をリアルタイムで受けたドライバーは、そのお店に向かって注文を受け取りお客さんの元へ届けるため…次にどこから依頼が来てどこへ届けるかは誰にも予想がつきません。
実際、僕もやっていて面白かったのは『こんなお店があったんだ…』という発見があったり、こうした機会でもなければまず行かないようなエリアに行けるという新鮮さだったりしました。
ADHDの特性から、先が読めると飽きてしまう…作業感が出てつまらなく感じてしまう。という方でも、こうした先の読めない且つダイナミックな動きがある仕事(急に想定外の遠距離に飛ばされたり)という刺激は、ADHD特性と相性が良い、と感じられる当事者の方も多いのではないかと思いました。
そして他の仕事と比べてもなかなか類を見ないのが⑤の報酬のランダム性が高い、という点です。
これは見出しの『動機付け』というキーワードにもつながってきます。
このまのぱぺ相談室のコラムでも何度扱っている学習認知心理学…つまりは行動学習の中で動機付けというのはとても重要なキーワードです。
ちなみに過去の学習認知心理学に関する記事はこちらをご参照ください↓
人は誰しも条件付けに操られている? 学習認知心理学のお話しその1
さて、話を戻してウーバーイーツの報酬のランダム性についてです。
こうした配達の個人事業をされたことが無い方は、一体ドライバーにいくらぐらいの報酬が入っているのか気になったことはないでしょうか?
注文する側としてはウーバーイーツってなかなか高額ですので…ウォルトや出前館では近々値引きの動きもあるそうですが、いずれにしても店舗で頼むより割高である場合がほとんどです。まあ、ご自宅まで届けてもらえるのでそれ自体は当たり前かなとも思います。
ではこの割高になった金額のうちどれだけがドライバーに入っているのかというと…実は注文ごとの金額を予想することは不可能なんです。
というのも、ドライバーにはウーバーイーツ側から『〇〇から〇〇までの配達を△△円でやりませんか?』という内容の通知が来ます。
これをドライバー側がOKすればいざお仕事開始、となるわけですが…この△△のムラがすごいんです。
最低金額は一応この記事を書いている段階で320円です。一方最高金額はというと…なんと一回の配達で3000円を超えることもあります。
もちろんこれは極端な例ですが、でも似たような内容であっても320円のこともあれば700円台になることもあったり…。
これはどうやら、配達にかかる所要時間の予測であったり注文の混雑状況などでも変動するらしいのですが。
ただ、僕も経験したことがあるのですが何の変哲もない注文が2000円近くでポンっと表れたりします。
これは僕の想像ですが、こうしたムラはバグや誤作動ではなく、ウーバーイーツ側もある程度意図しているのではないかな…と思ったりします。
というのも、学習認知心理学的にも有名な話ですが人ってランダムな報酬に弱いんです。
それは過去の↓の記事でも書かせて頂きましたが…人が宝くじやギャンブルにハマる理由でもあります。予想通りの報酬が続くより、予想より報酬が多かったり少なかったりする方がもう1回!と沼にハマりやすいよう脳ができているんですね。
ギャンブルやソシャゲ、SNSにハマってしまう不思議。学習認知心理学のお話しその2
実際、僕も配達していて経験したものですが…疲れてそろそろ終えようかな…と思いつつ、「でもあと1件粘れば高額依頼がくるかも…?」という考えが頭をよぎるのです。
ウーバーイーツ側としては1件でも多くドライバーが依頼を受けてくれた方が、多くの売り上げにつながるわけで…いかにドライバーが働きたくなる環境を作るか、というのはけっこうミソのはずです。
その結果編み出されたのが、この報酬金額にムラがあるシステムではないかな…と思ったりします。
もっとも、ウーバーイーツ含め各社のこうした報酬システムは適宜改訂されているためあくまで今後変わるかもしれないお話しではありますが。
さて、本記事の主題であるADHDとの相性でいきますと、良くも悪くもADHD特性はこうしたランダム報酬に射幸心を煽られやすい傾向があります。
そもそもの変化を好む性質に加え、動機付けもされやすく、また「そろそろやめよう」というブレーキも効きにくいため…「もう1回だけ」を繰り返しやすくなります。
これは過労や事故のリスクを考慮すると両刃ではありますが…一方で意欲的に働くという意味では有利に働くとも考えられます。
また、⑧の対面でお礼を言ってもらえるというのもADHD特性と相性が良かったりします。
ADHD傾向がある方で多いのが、自分のためだと力を抜いてしまいがちですが他人が目の前にいると頑張れる、お礼や喜んでもらえたという手ごたえが直に感じられると頑張れる、という特性です。
もちろんいつもお礼を言ってもらえるわけではありませんし、置き配のときはそもそも顔を合わせませんが。
それでも1回の仕事ごとに誰かの役に立つという実感と達成感があるのは、ADHD傾向がある方がモチベーションを上げやすくなるポイントの1つです。
よっしゃ、もうちょっと頑張ってみるか!と働けるのはけっこう楽しいことであり、ゲーム感覚とも言えるため…なかなか仕事が楽しめない、という方には案外と合うことがあるかもしれません。
くれぐれも働きすぎや事故には要注意ですけどね。
自分のリズムで働けるのも大きなメリット
さて、ここまで出てきたメリットに加え⑥の細かい作業が無いというのも、配達のタスクがADHD特性と好相性と呼べるところではないかと思います。
配達作業中自体は事務作業などは無縁ですからね…。
ただ一応、現金配達では小銭のやり取りをしたり(嫌なら現金支払いを受け付けない設定も可能)、食べ物をこぼさないようバッグへの詰め方を工夫したり慎重にバイクを走らせたり。
こうした過程は出てきます。僕自身はそれぞれ慎重に行えば対応可能な範囲でしたが…やはり得手不得手には個人差が大きいものでもありますので、この辺りはご自身と照らし合わせて考えて頂く必要があるでしょう。
それに、一定金額以上を稼いだ場合は確定申告の必要性も出てきますしね。その言葉を聞くと頭が痛い…という方もおられるんではないでしょうか(^_^;)
さてメリットのお話しで最後に挙げたいのは➆で触れた、休憩や働く時間帯を自分で自由に決められるという点です。
これは人間誰しもではありますが…ADHD傾向がある方は特に自分のリズムと上手に付き合うことが大切だったりします。
とにかく朝が弱いという方、なかなかエンジンがかからないけど集中しだすとハイパーモードに入れるという方、ちょこちょこリセットタイムが無いとキツイという方…。
それぞれのリズムに合わせて動くことができれば、素晴らしいパフォーマンスを発揮できることも多いわけですが、残念ながら世の中の仕事の多くは自分の都合で働くタイミングを決められません。
その点で考えるとウーバーイーツなどの配達パートナーという仕事は、ほとんど縛りがありません。
一応、一日12時間以上働いてはいけないといったルールがありますが、これはむしろ自分を守るためにも大切なルールでしょう。
あとは仕事自体は平日だろうが土日だろうが早朝だろうが深夜だろうがあります(地域差もありますが)。
これは調子の波が出やすい人には大変ありがたい仕様とも言え…僕自身、仕事というよりむしろウーバーイーツの配達自体を気分転換として出かけたり。
もちろん責任をもって仕事をしなければなりませんが、考えようによってはお金を得ながら気分転換にもなるという場にもなりえます。
なんだかだんだんステマみたいになってきましたが…改めてフラットな目でまとめをお伝えしておくと①興味がある方はやってみると案外楽しいかも。②お金を稼ぐ手段として効率は良くないかも。
といったところでしょうか。②に関してはたくさん乗れば乗るほど稼げる(報酬が割高になる)仕様ですので、本腰を入れればもっと効率は良いのかもしれません。
僕のようなスキマで気軽に取り組んでいた身としては、どうしても最低時給は下回ってしまうかな…というところでした。そのうえでガソリン代など経費もかかることを踏まえると、効率が良いお金の得方とは言い難いところです。
事故には絶対気を付けて
さて、最後にこれは触れておかねばなりませんが…。
ADHD傾向のある方々に向けた記事、というところで特に抑えておかないといけないのが事故のリスクです。
耳が痛い話かもしれませんが、自分への戒めもこめて書くと…ADHD傾向と交通事故リスクは以下のようにたくさん挙げられます。
・そもそも不注意、衝動的
・リスクを過小評価しがち
・つい頑張り過ぎて、寝不足や体調不良など不調時に運転しがち
・方向感覚、空間把握が弱い場合が多い
などなど…。
なかでも配達ならではというところで、スマホアプリでナビを表示しながら配達先へ向かうことが多いということが挙げられます。
配達に向かうお家は大半の場合初見ですので…意外なところが家の入り口だったり、思いがけない小道に入ったり。
つい急ブレーキや急な方向転換をしたくなる場面が多くあります。
そしてマルチタスク…時間も気にしながら、時には複数件同時に配達しながら、配達先のお客さんから催促のメッセージが来たりもします。
1つ1つ落ち着いてこなせばそれほどではない負担も、積み重ねると焦りますしその中で交通状況の変化などにも気を配らなければなりません。
僕は配達の仕事をした際、多少時間はかかってでも絶対に事故らないというスローガンのもと運転していました。
お客さんからすれば「いやもっと急いでくれよ」と思われるかもしれませんが…どんなに急いだところで詰められるのはせいぜい数分の違いです。
万が一事故を起こしてしまえばお客さんに一番ご迷惑がかかるわけで…その数分のためにリスクはかけないと決めて運転していました。
もし自分も配達の仕事をやってみようかな…と思われた方がおられましたら、ここの点についてはくれぐれも要注意です。
お客さんのためにも自分自身のためにも。事故は最悪の場合、命に関わりますので…しっかり想像力を発揮し、数分のためのスピードよりも安全運転最優先ということを心がけてもらえたらと思います。
そのうえで行ってみる分には、↑で挙げたようなメリットを感じられること多々あるかと思いますよ。くれぐれもご自身の得手不得手とご相談の上、検討してみてくださいね。
まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん
この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)
【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了
【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】
- 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
- 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
- 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
- 重症心身障害児・者リハビリテーション
- 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
- 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)

