こんにちは、まのです。
今回の記事はこれまで掲載してきたコラムの中でも特に非科学的な内容となっております。
最初に僕個人の見解を述べておくと、「にわかには信じ難い」が基本線です。ただ一方で、「ありえない」と言いきってしまうつもりもありません。
というのも、自閉症や各種の神経発達症(発達障害)と診断されたお子さんであったり、重症心身障害のお子さんであったり、そうでなくとも多くの方と接する仕事をしていると「まだ医学では確かなことが分からないことだらけだ」と感じることが多々。
ですので、それぞれのお子さんや大人の方と接する際、できるだけ先入観で凝り固まらないようにしているつもり、という自負があります。
「〇〇の障害だからこの方に△△ができるはずがない」と考えるのではなく、あくまでその方一人一人を見てフラットに判断したい。
(難しいことは難しい、と限界も見極めたうえで)
と、そんな考えもあって、一般的な常識や医学の観点から言うと否定されているような今回の話題も取り上げてみようと思った次第です。
(非科学的な話題との付き合い方については過去の↓の記事も参考になるかもしれません)
ダイアン・パウエル博士の主張する自閉症児の力
ダイアン・パウエル博士という名前を突然出しましたが、この方は神経精神科医であり神経科学者であり、ハーバード大学の医学部教員でもあるというキャリアの方です。
本来、科学的根拠を構築するうえで提唱者の権威は関係なく、データの蓄積が重要ではありますが。
ただ、少なくともダイアン・パウエル博士がいい加減な態度で研究や発信ができる立場ではないということは言えるのではないでしょうか。
さてそのダイアン・パウエル博士ですが、なかなか俄かには信じがたい主張を40年来に渡って続けられている先生です。
その主張は、超能力の存在を認めるということ。
ことに自閉症児は我々定型とされる人たちが見ている世界とは異なる、身体に由来しないコミュニケーションをとっている。というものです。
博士の主張自体は調べると30年以上前から変わらず存在しているようですが今年、アメリカでこの件に関する博士のポッドキャストが注目を集め、SNSを中心に論争が巻き起こったという流れのようです。
その、話題を集めたポッドキャストのプログラムこそが「テレパシーテープス」であり、博士の研究と記録の集大成なのだそうです。
すみません、正直なところ今回記事にするにあたって調べたことが多いので…伝聞体だらけになってしまいますが(^_^;)
このテレパシーテープス内では、自閉症児は人の心を読むことができるといった主張がなされています。
また、言葉をもたない世界各国の自閉症児同士がつながり、ザ・ヒル(心の丘)という現実には存在しないはずの架空の場で遊んだり情報共有をしたりしているのだそう。
その心のつながりはインナーネットと呼ばれ、子どもたちは現実の体よりも「意識体」を主としてやりとりをしている。
ゆえに、現実世界の体に依存した僕たち健常者のコミュニケーションは、彼らのコミュニケーションとは質が異なるものであり自閉症児たちは「言葉をもたない」「コミュニケーションが難しい」と評価されているにすぎない。
という、大まかに言えばそのような主張がなされています。
もう、繰り返し言いますが俄かには信じられないこの主張…とはいえこのポッドキャストはアメリカで一千万人を超える人が聞き、賛否は分かれたものの深い関心を呼んだことに違いはないという話なのです。
最後に注意としてお伝えしたいこと
テレパシーテープスに関して、僕のスタンスとしては最初にも挙げた通り「にわかには信じ難いものの、ありえないと言いきるつもりもない」というところです。
煮え切らなくて申し訳ありませんが、イチ支援者としては数ある情報の1つとして冷静に見ていくしかないのが現状かなと。
ですので今回の記事は、こうした話題があったという紹介に留まるわけですが…最後にお伝えしたいことがあります。
むしろ現実的にはここからが大切かもしれません。
こうした非科学的(少なくとも現時点の医学では)な見解を扱う場合はバランス感覚というものが大切だと思います。
紹介する僕もそうですが、読んで解釈する方にも冷静な視点をもって読んで頂きたいのです。
もしかしたら今回記事を読まれ「そんな非現実的なこと、信じる人なんているはずがない」と思われた方もおられるかもしれません。
この令和の時代にテレパシーだなんて…と。それは至極真っ当な、ごく一般的な感想だと思います。
ただ一方で。
言葉をもたない我が子とどうにかして深くコミュニケーションをとりたい。
そう考えているご家族にとって、「この子は実はテレパシーで表現する力がある」と伝えられたとき。藁をもすがる思いでその発想に手を伸ばす方がおられることもまた、想像に難くありません。
自閉症児の可能性を探るという意味で、テレパシーなどの僕たちの常識を超えた手段を真摯に検証する視点は大切でもあると思います。
自分たちが常識だと思っているものを疑い、当事者の方の世界に少しでも近づくための試行錯誤という意味で。
ただなかには、これを弱みに付け込む手段として使い、高額な費用を請求したり何かしらの悪意をもって関わろうとする方がいる可能性も否定はできません。
残念ながら、ご家族や身近な人を思う無垢な願いというものはビジネスに利用されてしまいやすいのもまた事実…。
僕個人のスタンスとしては「そういうこともあるのかもしれない」と可能性を頭の片隅に入れつつ。
これを読まれた方々には、万が一非科学的であったり民間療法であったりといった誘い(テレパシーに限らず)を前にしたときには。
まずはどんなに心が揺れ動くような提案であっても、まずは疑ってほしいというのが願いです。
少なくとも悪意に晒されて被害を受けてしまうまえに。
一旦大きな判断は保留し、身近な人や専門家に相談してみるという時間をとっていただけると幸いです。
まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん
この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)
【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了
【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】
- 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
- 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
- 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
- 重症心身障害児・者リハビリテーション
- 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
- 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)

