まのぱぺ相談室

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「カウンセラーのための法的知識」を受講して

こんにちは、まのです。

実はここのところ、研修会に参加したり仕事で保育園を訪問したり、大学生さん相手に職場見学の案内をしたりと書きたいことは山積みだったりします。

しかしながら、書きたいことがたくさんある=忙しい=書く時間がなかなか無い、という自己矛盾の方程式。
暇よりは良いことだと思うので、少しずつ記事としてアウトプットしていけたらとは思うのですが…ときどきブログが滞ったりするので申し訳なさもあったりという日々です。

研修会としては、今回取り上げるもの以外にもゲーム依存についてや、心理師が相談者のためにいかに社会資源を活用していくか、といったものもあったりといずれも興味深いものでした。
これらもいずれ記事にしていく予定ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです。

法律の知識があることで自身も相談者の方も守ることにつながる

さて、今回取り上げる研修のテーマは「心理師のための法的知識」です。
心理師が法律を学ぶことにどんな意味があるのか…?と思われる方も多いかもしれません。実際、心理師は法律の専門家ではありませんので学ぶといっても、短い時間で可能な限られた範囲についてですが…。

ですがこの限られた範囲、の中ながら学んだものは、実際の相談場面でも生きるものが大いにあると思いました。

たとえば労働環境に関する法律の知識。
ハラスメントに関する知識。
売買契約にまつわる法律の知識。

こうした知識が活きる場面、トラブルというのは生きていれば誰にでもありえてしまうことです。
また、メンタル的に不調であるときほど、残念ながらそういう心理状態につけこんでくる人もいるのが実情です。
つまり、多くの方の悩みや相談事を受けるカウンセラーという立場上、相談者の方がこうした状況に遭遇することってままありえることなんですよね。
心理的支援だけでなく、実際にどう対処したらいいかの具体的な方法が必要になることがある、と。

こうした状況の中、この研修を受講するまでは「〇〇だろう」や「〇〇らしい」といった経験則や聞きかじった情報で対応するしかない場面が多々ありました。
もちろんしかるべき相談先をご紹介するなどして対応するのですが、実のところ自分自身も確証がもてないところがあるんですよね。

今回、講師を勤められたのは弁護士の方です。確かな知識をもつ方から、「こういう場面はこう解釈する」「こういう相談先がある」など、実践的な話をして頂けたのはカウンセラーとして大変心強いものがありました。

法に委ねる必要があるような切迫した場面こそ、正しい知識があることで冷静に判断することができます。
それは、カウンセラー自身を守ることにも、相談者の方を守ることにもつながるのだと実感した研修でした。

守秘義務と通報義務と記録のジレンマ

心理師と法律が密接に関連する場面として、守秘義務についてが挙げられます。
公認心理師というのは業務の特性上、相談で知りえた秘密を正当な理由なく漏らすことは許されません。
これはカウンセラーという仕事を辞めてからも適用される法律です。
破れば弁護士さんなど他の職業の守秘義務違反よりもさらに重い罰則が適用されます。それほど、公認心理師の守秘義務は厳密であることが求められているのです。

一方で、カウンセラーという業務に当たっていると守秘義務と実務のジレンマに陥る場面が日常的に起こります。
自殺や他害をほのめかしている相談者の方を前に、守秘義務と情報提供どちらを優先するべきか。
いじめられている生徒の相談を先生に報告するべきか。
上司や雇い主から情報共有を求められた場合断ってもいいのか。
警察から情報開示の協力を要請された場合、すべての情報を開示するべきなのか。
新しく入職してきたカウンセラーに、相談内容を引き継いでもいいものなのか。

などなど…秘密を守る、というのはある意味簡単なようでありながら、守ることが誰にとって利益になるのか、を考え始めると難しいものでもあったりします。
これらのような事例について、実際には応じるべき対応というのは基準があります。心理師側も、それぞれのケースに対してどのように対応すべきか頭では分かっています。

しかし、頭で分かっている=万事解決、となるほど分かりやすいものでもないですね…。
本当にそれでいいのか、職業倫理と、人としての価値観と、相談者の方にとっての利益、周囲の方にとっての安全、といった狭間でぐるぐる揺れるのです。

すべて1か0で決められるものではないので、どうやってもこうした葛藤は生まれるのですが…
今回、改めて法律という視点からそれぞれのケースに対しての見解が得られました。これは、心理師自身を守る意味でも、周囲の方を守る意味でもとても意義深いものだと感じました。
よかれと思って判断したことが、法に反している…という場合もありえてしまうわけですからね。

法律というものを知ることで、より冷静に相談者の方と向き合うことができる。問題解決の幅が広がる。そういったメリットを実感できた研修でした。

まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん

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