片付いた部屋

【ADHDの片付け術】「捨てられない」「帰宅後に力尽きる」を防ぐ、3つの行動調整テクニック

こんにちは、まのです。
ここ2回のコラムではADHD特性のある僕が片づけに悩み、前々回は試行錯誤してうまくいかなった方法、前回はうまくいった環境設定について書きました。

なんだかシリーズのようになった3回目の今回で、ひとまずADHDとお片付けの僕のお話しはひと段落となる予定です。

  • 「捨てちゃいけない気がして物が溜まる」
  • 「帰宅後、玄関に荷物を放置してしまう」

これらを解決するために僕(ADHD当事者であり当相談室カウンセラー)自身が実践している、ちょっと独特な「自分を操るテクニック(行動調整)」をご紹介します。
「ちゃんとしなさい」という精神論ではなく、脳のクセを利用したハックですよ。


ちなみに前回の記事はこちら↓

よかったらそちらも見て頂けると幸いです☆

そもそも行動調整って?

この辺は用語について注釈なので、早く本題を!という方は読み飛ばして頂けて構いません(笑)

僕は今回の内容を説明するために、行動調整という言葉がしっくりくるかと思い選んだわけですが。

一応と思ってググってみたところ、もっと限定的な意味で使われる場合もあるようです。
たとえばお子さんの訓練用語としての行動調整という言葉もあれば、歯科受診できるようになるための行動調整という用語もあるようで。

僕自身もお子さんに訓練を行う身でありながら知らんのかい、って感じですが…医療という分野は本当に言葉が広いです。ほぼ同じことでも、専門分野が変わると用語自体が変わることも多々あり、全てを把握するのは難しいんです。と言い訳を書かせてください(^_^;)

共通して言えるのは、何か行動パターンを変えたいときに行うもの、ということには大きく違いはないかと思います。
僕自身が行ったことを、認知行動療法というにはもっとアバウトだしどう表現したものか…と悩んで行動調整という言葉をひとまずは使わせて頂きますね。

課題1:「捨てられない物」は、専用の隠し場所へ

さて、前回の記事では僕自身が片づけられない理由として自己分析したもので下記を挙げました。

  1. なんとなく捨てちゃいけないような気がする書類や土産物、取扱説明書、写真など、すぐに使わない物の置き場に困る⇒片づけ保留⇒放置
  2. 物を捨てることに対し、粗末にしているという罪悪感から捨てられない
  3. すぐ休みたい衝動性が強く、帰宅後に服や買ってきた物を一旦その辺に置く⇒放置
  4. 家具などサイズを細かく見るのが面倒で適当に買う⇒部屋に置けなかったり⇒放置
  5. 収納する場所がそもそも足らず、狭いスペースに物を押し込もうとして余計ごちゃごちゃ

⇒ これらが重なりに重なった結果、どうでもよくなって物を積み重ねる

そして前回行った、部屋を変えたりアイテムを使うといった環境調整によって④⑤がだいぶ解決に近づきました。
収納場所不足や、採寸しないことによるミスというものが軽減されたわけです。今でもたまにサボるので、軽減したという表現にしておきます。個人的にこれはまったくもってOKとしています(同居者などから怒られるようであればそれはそれで要対応ですが)。

さてここからは残った①~③への対応が必要となります。
これらへの僕が行った対応を順番に見ていきます。まず①の『なんとなく捨てちゃいけない気がするけど、置き場に困るもの』について。

公的な書類や領収書、取扱説明書、写真、お土産…などなど。
恐らく片づけ上手な方はこれらの処理の仕方が難なく浮かぶのかな?と思います。が、残念ながらADHDな僕はこれらをどうしたらいいのかがまず分からない、というところからのスタートでした。
決められた場所に置けばいいと言われても、決めたつもりの場所は忘れてごちゃごちゃ物が混ざってよく分からなくなるし、空間の把握の仕方が苦手であったり衝動的に起きやすいところから置いたりといった感じで多分スペースの使い方もヘタです。

というわけで最初にしたことは、専用の場所を用意できるものは用意しました。
といってもただ引き出しのこの場所、とか押し入れのこの箱、とかにするとよく分からなくなってしまうので…ここでもお金はかかってしまいますがアイテムを買います。このとき自分がとった方法は2つ。
①取扱説明書やアルバムなど専用のファイルなどがある物はそれを買う
②他の箱はジャンルごとに自分が気に入ったデザインや機能のものをとことん選ぶ

対策①:テンションが上がる「専用アイテム」を買う

まず①については無印良品などで、それ用のちょっと小洒落たファイルを買いました。
ポイントは選ぶのも買うのもちょっと楽しい、使うのも楽しいと思える物で…それが自分にとっては無印で発見する『ちょうど探していたぴったりくるアイテム』でした。
「こんなのあるんだ」という発見自体も楽しくて、そのまま気に入ることで生活に取り入れやすくなるという作戦です。

ここは合う合わないがけっこう分かれやすいかもしれませんね…衝動買いの山になってしまうタイプの方は自制しながらがいいかもしれません。
僕の場合は、もとは100均などで収納を買う⇒すぐダメになったり思い入れが無いので使わなくなる。という流れが多かったため、ワンランク上の物に変えることでプラスになりました。

ADHD特性による、「好きな物にはハマりやすい」という傾向を利用した感じですね。
後ろ向きにするのではなく、自分のしたいことはしたい、という特性もあったりするのでそれを活かした形でもあると思います。

②についても同様で、箱1つ選ぶにしてもそれまでの物よりもちょっと良い物、部屋の雰囲気に合うものなどを選びました。
この好きな物、というところもくせ者で…20代ぐらいの頃だと推しのキャラクターやゲーム、舞台作品といったもののグッズで収納物品も買いまくってしまってたんですが。
この方法だと、機能性が二の次になる上、いざ部屋に並べると統一感がなくてカオスになっていく…という失敗を身をもって経験しました。

このため、あくまで機能面と部屋の統一感というものを意識して選ぶことでだいぶ片づけに向いた状況を作ることができました。それがようやく30才すぎてから(笑)
遅いよと言わず、人間いくつになっても成長できるものと捉えて頂ける嬉しいです( ;∀;)

対策②:「保留ボックス」を日常の導線に仕込む

そして残るは、これらのアイテムに当てはまらないエトセトラ的な物たちです。
どこに保管していいか分からない…そうこうしているうちに面倒になって放置すると途端に部屋が散らかっていきます。

こういった類のものについては僕は、保留物ボックスを作成しました。そのまま、どうしたらいいのか分からないものを一旦溜めておく箱です。

とりあえず箱に入れて視界から隠してその場しのぎ…でも雰囲気だけは片付いた感じになります(笑)

でも保留物ボックスを開けずに放置し、結局よく分からなくなるんでは…と思った方はその懸念はめちゃくちゃ的確です。
その懸念に対し僕がとった対策は、前回登場したこれを保留物ボックスにすることです。

このテーブルの中の隠し収納、これを保留物ボックスとしました。
こうするとですね…僕はここで作業や食事をするたびにこの箱を開けないといけません。
中を見るためではなく、作業しやすい高さにテーブルを引き上げると、必然的に箱が開くわけです。

とすると、日常的に中の物が目に入るので…入れ忘れたままよく分からなくなるといったことが防げます。
〆切があって、絶対にすぎるとまずいものなどはスケジュールアプリにも日にちを入れて管理することがオススメですが…そうでなければチラチラ視界に入るのでその中で処理の仕方が浮かんだり、片手間に処理するか…と実行することができたりと、自分にはこの方法がマッチしている感じです。

課題2:「捨てる罪悪感」はリサイクルで消す

続いて、これは主に衣類や雑貨、小物家電に関するものですが…これまでのコラムでも触れてきましたが、捨てられない心理の裏には罪悪感が潜んでいたりもします。
僕もこれは多々あり、頭ではもう使うことはないだろうと分かっていても、捨てること自体がいけないことのような気がして決行できず…といった感じです。

対策:メルカリ&寄付サービスを活用する

そこでまずはオーソドックスなやり方だとは思いますがメルカリ大作戦
捨てるのではなく、必要な人に行き渡る上に自分もお金をゲットできる。発送も慣れてしまえば簡単です。
個人的に嬉しかったのは、本の出品がめちゃくちゃカンタンになっていること。
一定より古い本でなければ、バーコードの部分をカメラで捉えるだけで商品情報が入力されるという…ヤフオク全盛期時代の人間からすると便利になりすぎてて泣けるレベルです。

というわけでメルカリ作戦は有効なのですが、これにも限界が。
送料との兼ね合いで大きな物の扱いに限界があったり、売れるまでは処分できない、大量の物を処分するのは大変…といった課題が残ります。

僕は特に大量の衣類が面倒で…いちいち写真を撮る、売れるまで待つ、という流れが耐えられません。
かといって捨てるのも罪悪感が…というところで見つけたのがリサイクルサービスです。

たとえばこういうところhttps://eco-to-ship.jp/report/7795/
こちらは不用品を引き取って下さりそれが養護施設への物資や支援金になるというサービスです。
僕が利用したのが実際にここだったのかは忘れてしまったのですが…いくらかお金は払う必要が出ますがそれほど高額でなく、自分の物が誰かの役に立つと思うと罪悪感も無く物を減らせるというのがメリットです。

こういったサービスについては様々ありますし、服に関しては各メーカーで回収をされているところもあるようです。
また、回収業者によってはやや信頼して良いのか怪しいところもあるという噂もあったりするので…もし使われる際は情報収集された上で利用先をお選びくださいね。

というわけで僕の話に戻ると、捨てたくても捨てにくかった物たちはこうしたリサイクルサービスを使うことでかなり減らすことができました。部屋のスペースができてスッキリです。

課題3:「帰宅後に動けない」は、あまのじゃく精神で攻略

今回お話しする最後、三つ目は精神論的な話になってきます。
苦手なことと向き合う上で、自分のメンタルを整えたり知恵で対抗するって大事ですからね。

さて五つ挙げた課題でここまで触れていないものが、③すぐ休みたい衝動性が強く、帰宅後に服や買ってきた物を一旦その辺に置く⇒放置という項目です。
これに関しては長年の課題であり…言ってしまえばいまだに非常に苦手な領域です。

というわけで、最近はこう考えるようにしました。

対策:自分の「反発心」を利用する

帰宅してすぐは疲れているので一旦休みたくなるのは当たり前である。

…これだけだと投げやっている人ですね。これに加えて、こんな考えも頭に入れておきます。

ただ、作業興奮という人間のシステムから考えると、家に着いたときの勢いで片づけてしまった方があとあと自分が楽である。

作業興奮という言葉は、馴染みのない方もおられるかと思います。
すごく簡単に言うと、あらゆる行動は始めるまでが一番大変であり、始めてしまえば以外とエンジンがかかって心身ともに動き始めるという現象です。恐らく誰でも経験があることではないかと思います。

つまり、作業興奮の観点で言えば一度休んでしまえば再度エンジンをかけるのに一番労力がかかるわけで…ならば帰宅して休む…の直前にもうひと踏ん張りして片づけた方が自分が楽、ということですね。

というのは、経験則で分かっている人は多いとも思うのですが、頭で分かっていても難しいのがADHD特性というもの。
でも頭で分かっていても難しい、で気の向くままに進めてしまうとことは改善しませんので、頭では分かっていることをあえて言語化し、自分にとってどうした方が得か改めて考えることも大切なんですよね。

で、ここまでしても僕は家に帰ったら衝動的に休んでしまうというのはすでに書いた通り。
そこで、帰宅してすぐは疲れているので一旦休みたくなるのは当たり前である。という考えの登場です。

こう考えるとですね…ひねくれた僕の場合、『休みたくなるのは当たり前だって?そんなわけないってところを見せてやるぜ』とよく意味の分からない反発心が燃えてきたりします。

ADHD特性だか性格だか分かりませんが…『やらなきゃいけない』と思うと全くもってやりたくないのですが、『自分への挑戦』などに置き換えた方が『なんかやりたいかも』と思えることがあったりします。

書いていて思いましたが、あまりにも万人向けから離れた話のような気もします…まあこういう人もいるというか、セオリーに捉われず自分にあった方法を見つけることがいかに大事か、とかそんなノリで読んで頂けるとこの辺はいいかのかもしれません。

そして『帰宅してすぐは疲れているので一旦休みたくなるのは当たり前である』と思っていた以上…にも関わらず帰宅後すぐに片づけができたとなれば、達成感アリアリです。

それでもダメなら「バイオリズム」に頼る

『そんなことできて当たり前じゃん』と思っていたら、むしろそんなことで喜んでいる自分大丈夫か?となってしまいがちですが…比較対象は世間では無いので問題ありません。
自分の苦手な分野の中で頑張れたこと、前はできなかったことが今日はできたこと。
そこは大いに満足していいわけです。この辺は実際には葛藤を抱えながら自分なりの落としどころを見つけていく感じになることが多いとは思いますが。

10回の帰宅後3回片づけられたとして。
3回もできたと考えるか、7回もできていないと考えるか…これだけでもその後のモチベーションは全く変わってきますからね。

そして、では7回の片づけられなかったときの物たちはどうするのか?
という疑問ですが。
ここで見出しの『自分のバイオリズムを知る』というところがポイントとなってきます。
これも同居者がいたりすると難しかったりもしますが…人それぞれ、掃除などの雑用的なことをしたいタイミングって違ったりします。

朝起きたときにルーティンとして入れてしまった方がスッキリするという方や、作業の合間のリフレッシュを兼ねて片づけをしたいと思われる方などなど事情も理由も違うわけです。

僕はお風呂を沸かしている間とか、インスタントコーヒーができる待ち時間などの手持ち無沙汰が雑用をしやすかったりするため、その時間に片づければいいぐらいのスタンスでいます。
意外と始めるとノってきて、お風呂が沸いたのにまだ片づけたいとなってきたりもしますので…そのときはノリに任せます(笑)
ただお風呂が冷めきるまで没頭してはいけないので…そういう場合は僕はアレクサに『〇分経ったら教えて』とお願いしてから作業を行っています。

このような感じで、衝動的に放置しそうなときの対策も考えつつ、放置したらしたで別の片づけられるタイミングがあるからいい、とも考えて切り替える。
そんなバランスのとり方で僕は自分の行動を調整している次第です。

おわりに

3編に渡ってADHDと片づけ、というテーマに対して僕の経験をもとに書かせて頂きました。
一部読んだ方も、全部読んだ方もありがとうございます。

改めてお伝えしますが、この方法はあくまで僕個人に合った方法であり到底万人に合う方法とは思っていません。
どちらかというとお伝えしたいのは、片づけというものは世間の方が言われるほど『ちゃんとしなさい』『片づけなさい』で解決できるものではない、ということです。もちろんできる方はそれでいいのですが。

片づけ本やセオリーといったものも、自分に当てはまるものもあるかもしれませんが大半はそれで解決しないものですので…できないからと言って落ち込む必要はありません。

かといって脅したいわけではありませんが、一人で試行錯誤するのは本当に大変です。

「色々試したけど上手くいかない」という方は、まのぱぺ相談室で一緒に作戦会議をしませんか?
あなたの特性に合った「マイルール」を、一緒に探していきましょう。

一人で抱え込まず、専門家に相談してみませんか?

単発のご相談から、定額プラン、LINEでのミニ相談まで。
ご自身のペースに合わせた具体的な作戦を一緒に考えます。


この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)

【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了

【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】

  • 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
  • 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
  • 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
  • 重症心身障害児・者リハビリテーション
  • 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
  • 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)

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