こんにちは、まのです。
先日参加してきた研修についてのことを中心に書いていきたいと思います。
初めにお伝えしておくと、僕は行動活性化療法というアプローチ法の研修会に参加したわけですが、いきなりそれで今後のカウンセリングを行動活性化療法で行っていくぞ!という主旨のものではありません。
ちょっと受講したぐらいでできるものではありませんし、カウンセリングで行われる技法というのは「これさえやっておけばOK」という万能のものは無いと思っていますので。
今回この研修に参加させて頂いた自分なりの目的は…抑うつなど行動が難しいことによって気分も改善しない、という悪循環を断つためにどんな考え方があるのかを知りたかったこと。また、気分が乗らない⇒行動できない⇒気分が落ちるという循環はADHDなど発達障害をベースとした先延ばし癖などとも関連するように思い…
発達障害(神経発達症)に関する行動調整にも得るものがあるかもしれない、という思いから参加させて頂きました。
行動活性化療法とは
まずは簡単にですが、行動活性化療法がそもそも何かということをごく簡単にご紹介します。
ちなみに毎度のことですが、有料研修で得た情報をあまり大っぴらに書くのは問題があるため…各記載は概要までとさせて頂きますm(__)m
さて行動活性化療法ですが、こちらは抑うつ状態にある方に対し、従来のカウンセリングのように気持ちを整理して精神的に落ち着いた結果行動できるようになっていく。と捉えるのとは逆の発想です。
行動活性化療法では、行動をすることで精神的にも活性化されていくと考えます。精神的に落ち着いてから、やる気が出てから、と考えているとさらに気分も落ち込むので…そうではなく行動することで抑うつ状態を改善していこうとする。
本当にざっくりと説明するとこの考え方が根本となります。
これは理屈としてはイメージしやすい方も多いのではないでしょうか。
抑うつ状態やそれに近いメンタルのとき、頭では「このままでは良くない」と思いながらもなかなか行動に移せない。
このままでいいのか?という葛藤を抱えながらも、気分が上がらず「今日はこのまま寝てしまおう」と横になって過ごした結果。
確かに起きるという苦労はしなくて済んだのですが、振り返ってみれば疲れはとれた気がしないし気分も上がらないし…とモヤモヤばかりが残る。
似た経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
こうしたとき、自分にとって達成感を感じられる行動や、自分の目的に沿った行動ができれば、行動し始めは辛くとも終えたときには気分が良くなっている可能性は高いです。
なんとなく分かるけど、その実行が難しいじゃん。という声が聞こえてきそうな状況でもありますが。
その点についてはこの後で触れてみたいと思います。
ともかく大切なこととして、人は想像以上に心と体が連動するということが挙げられます。
よく、楽しいから笑うのではなく笑うから楽しくなる、と言ったりもしますね。
今回の本題と少し逸れますが、口角を上げるだけでセロトニンなどの気分を落ち着かせてくれるホルモンが分泌されることは科学的に証明されています。
実は心より、体の方がずっとコントロールしやすかったりするわけで…頭でたくさん考えることも否定はしませんが、ときには意識して口角を上げてみたり、深呼吸をしてみることで体から心に好影響を与えることができるというのも大切なテクニックの1つですね。
分かっていても行動できないから困っているんじゃないの?
なんだかちょっと過激な見出しになってしまったかもしれません。
でも恐らく、↑の僕の説明を見てそう思われた方は少なくないのではないでしょうか。
僕の説明が拙いせいもあるかと思いますが、そもそも抑うつやメンタル不調にある方々は動きたくても動けなくて困っているわけです。
それに対し、動けば元気が出る、というアプローチは暴論ではないか?それができたら苦労しない!
という反論ですね。
もちろん行動活性化療法は、これらの課題を十分承知した上で提唱されています。
行動活性化療法というのは、「では行動するためにはどうしたらいいか」「どういった行動がその人にとって大切なのか」をある程度形にしたもの、と僕は認識しています。違ったらすみません…。
ある程度、というのは100%ガチガチのマニュアルではないということです。
共通の方法やシステム、枠組みはあるものの、全てのクライエントさんに100%同じやり方を提示するわけではありません。
当然と言えば当然ですが、個別の細かいところはカウンセラーとクライエントさんのやり取りの中で詰められていきます。
この具体的な方法については、有料研修の中身となってしまうのでここでは触れません。
とはいえ検索するとおよその中身についてもけっこうヒットしますので…もしご興味が湧いた方はそちらを参照されるのも良いかと思います。
ひとまずここでお伝えしたいのは、「行動できない」を「行動しないと始まらないぜ」と根性や気合で片づけるのが行動活性化療法ではない、ということです。
「行動できない」という難題に対し、そのハードルを下げるにはどうしたらいいか。習慣づけるにはどうしたらいいか。丁寧に形にして下さっているのが行動活性化療法かなと認識しています。
おわりに
本当に簡単にですが、参加した研修の情報整理も兼ねてご紹介させて頂きました。
冒頭でも書いた通り、これで僕も今日から行動活性化療法ができるぜ!という類のものではありませんが(そのノリでしちゃダメだと思います)…行動の活性という、発達障害の悩みでも共通しやすい部分に対する理論はとても勉強になることが多くありました。
また、最後に行動活性化療法について補足しますと…この療法自体は一定の効果が証明されている技法ですが。
行うにはふさわしい時期や病態など、基本的には主治医らと相談して導入していくものです。
「行動するのがいいらしい」と個人的に取り入れようとしたり、自分を追い込んだりといったことが無いようにお願いします。
どんな良い方法も、誤ったタイミングや解釈で行ってしまうとリスクを伴いますので…大切なこととして最後にお伝えさせて頂きました。
まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん