こんにちは、まのです。
今回は自分の行動や人、たとえばお子さんや部下、同僚や付き合わないといけない誰かなどとの関係の中でも大切な学習認知心理学というものについて書いていきたいと思います。
僕自身は学習認知心理学をすごく研究した人というわけではありません。
普通に大学や今の仕事の専門領域過程の中で学んだだけではあるんですが…とはいえ非常に好きな分野です。
なぜ好きかって学習認知心理学というのは、人というものの行動に密接に関わる学問だと思っています。行動と密接に関わるということは生きていくうえでのあらゆる場面、選択に関わることでありそれは人生を左右することでもありえます。
そんな大げさな…と思われるかもしれませんが、大げさかどうかはこの後のお話しを見てから考えても良いのではないでしょうか(煽っていくスタイル)
順を追って書いていきますが学習認知心理学というものを深く考えていったとき、僕は最終的には人の自由意思ってなんだろうとか、なんだか哲学的なことを考えたりしてしまいます。
そんなことまで迷走して考えるに至らずとも、人の行動がいかにシンプルに操作されやすいかを知ると自分の行動の理解にもつながってきたりして便利です。
自分の行動の原理が理解できると、やめたい習慣をやめたり続けたいダイエットを続けるためのヒントが手に入ったりしますからね。
というわけで期待感を煽りつつ、少しずつ本題に入っていきたいと思います。
条件付けとは
さて、この記事のタイトルにも出ている条件付けについてまずは説明していきます。
まずは↓の図をご覧ください。

ものすごくシンプルに言ってしまえば、人が行動を学習するのは「なにかしら行動」⇒その人にとって良いことがあればその行動は増える。その人にとって嫌なことがあればその行動は減る。
ということです。
細かいことを言えばいろいろとありますが、あまり細かく書いて小難しくなってしまっても良くないので…ひとまずこの大まかな理解で問題ありません。
学習と書くと日常生活の中ではあまり関係ないのでは?と思う方もおられるかもしれませんね。子どもならまだそも、大人には無縁のことではないか?と。
ところが、日々私たちは学習の積み重ねで生きています。
たとえばこのコラムだって、面白い!と思ってもられたら次を読んでもらえるかもしれません。
これは読む(行動)⇒面白い(+の作用) が働いた結果、次も読んでみようという学習が成立した結果です。
もちろん反対もありえます。読む(行動)⇒つまらない(-の作用) の結果、二度とこの人の記事は読まないぞという学習が成立します。
このとき、与えられて行動を増やす方向にはたらくものを強化子や報酬、好子などと呼びます。
反対に与えられて行動を減らす方向にはたらくものを罰や嫌悪刺激、嫌子などと呼びます。
ここでまず抑えておきたいのは、強化子になるか罰になるかはその行動を起こした当事者がどう感じたか次第であるということです。
分かりやすい例でいくと、褒めるという行為は一見すると強化子になりえそうです。
お子さんが何か初めてのことを成し遂げたときに「がんばったね」と声をかけてあげると、次も頑張ろうという意欲につながりますね。これは強化子として作用しています。
ですが、同じ褒めるという行為でも相手と状況によって+にはたらくかは変わってきます。
いつも靴を脱ぎ散らかす中学生ぐらいのお子さんが、その日は玄関の靴をきれいに片づけていたとして。
「すごいね!片づけてくれたんだ!」とお母さんが声をかけたら…これが+にはたらくかはその子の性格や関係性によって大きく変わりそうです。
多感な年頃ですし多くのお子さんは「うるせーな」と反発してしまって罰として作用する可能性も考えられます。
この場合は残念ながら、褒めるという行為は同じでも結果は罰として作用し行動を抑制してしまうわけですね。
罰からの回避という強化子もある
さて、今回もう1つ抑えておきたいのは強化子の種類についてです。こちらもまずは図をご覧ください。
こちらは例として犬くんに登場してもらっています。

図を見て分かる通り、行動の増減学習は与えられるだけでなく報酬や罰が取り除かれる場合にも起こるというところがポイントです。
身近な例でいくと、
頭痛がするので薬を飲んだら楽になった⇒ 頭が痛いときには薬を飲む(負の強化)
あいさつをしたのに無視された⇒ その人へは挨拶をしなくなる(負の罰)
といった具合です。いかがでしょうか、考えてみればみるほど日常生活はこうした経験と学習の蓄積で溢れかえっています。
そして、非常にシンプルなようですが人はこの繰り返しから行動パターンを作り出し、それはやがてその人の生き方・ライフスタイルというものにつながります。それはすなわち人生を左右することですので…
冒頭で書いた表現が決して大げさではないことを感じて頂けたのではないでしょうか。
学習認知心理学を知るとなんの役に立つのか
さて、簡単に条件付けというものの説明を行ってきましたが読まれている皆様が気になっているのはここではないでしょうか。
果たしてこれを知ったからといって、人生で何か役に立つの? ということです。
実際のところ、役立つ場面が大アリです。
たとえばですが自分自身の行動をコントロールしたい場合。冒頭であげたダイエットの例でいくと、食べて美味しかったという経験はとても強い強化子としての作用があります。
そもそも人は生命維持のために甘いものを好みやすいようにできていますので…お腹がすく⇒美味しいものを食べる というのは、美味しい上に空腹も無くなるというとても強烈な強化作用がはたらきます。
これに打ち勝つためには、自身のモチベーションをコントロールすることが大切なのですがそのための戦略をくれるのが学習認知心理学という分野となります。
今回までで登場しているお話しの範囲でいけば、お腹が空いて美味しいものを食べるという一連の条件付けがなされているものを上回る、より強い強化子が大切になってきます。
では強化子はなんでもいいのか…? というと、強化子にも作用が強いもの、弱いもの。あるいは作用しやすいタイミングやパターンというものが決まっているんですね。
これらについてはまたいずれ…ということで今回、学習認知心理学のお話しその1としています。
連続で学習認知心理学のお話しをお届けするというよりは、ちょこちょこと不定期で書いていくことになるかと思います。
さあ勉強するぞ!とあまり気張らず、興味のある内容が更新されていたら見るぐらいでも構いません。
一気に頭に叩き込んでも消化不良になりかねませんしね。
ちょこちょこと読むうちに、なんとなく生きづらさへの対抗策が頭に生まれている…そんなコラムになっていれば良いなと思います。
ちなみに昨年二月に出した↓の書籍は、これら学習認知心理学のお話しを盛り込んだ内容となっています。
もし気になった方はそちらを参照頂くのも良いかと思います。kindle Unlimted読み放題対象ですしね。

まの☆言葉と発達障害と心の専門家さん
この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)
【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了
【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】
- 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
- 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
- 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
- 重症心身障害児・者リハビリテーション
- 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
- 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)

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