動画編集をするオオカミ

【言語聴覚士が解説】なぜ難聴の方に「大声」は逆効果?ASDとADHDの違いとは?臨床の現場から見る「人の不思議」4選

こんにちは、まのです。

以前からYouTubeやTikTokで発信をしていますが、動画でお話ししている内容は、基本的にいずれも臨床心理や身体機能の専門的なメカニズムに基づいています。

今日は、最近頂いた反響の大きかったトピックの中から、「意外と知られていないけれど、知っておくと役に立つ知識」を4つ厳選して、文章でも改めて解説していきます。

  • ASDとADHDの決定的な違い
  • 難聴の方に大声で話しかけてはいけない理由(補充現象)
  • なぜ人はギャンブルにハマるのか(学習認知心理学)
  • 感覚過敏への「粋な配慮」の話

動画を見る時間がない方も、この記事を読むだけで「へぇ!」となる知識を持ち帰ってください。

ちなみに、当まのぱぺちゃんねるがどんなチャンネルなのかを改めてご紹介すると…発達障害に関する(+加えて医療や子育てなど)正しい知識を清く、正しく、面白く!発信していこうというコンセプトでさせて頂いております。
落ち込んでいるときや疲れているときでも見やすいよう、テンション控えめゆるく、でも発見のある…ということを忘れないように発信しています。

ではここから、各話題の解説へ参りましょう!

1.ASD(自閉スペクトラム症)とADHDの違いを一言で表すと?

まず最初は当チャンネルでも王道路線な神経発達症(発達障害)に関するお話しから。

結論を先にお伝えすると、動画では一つの視点として両者を『情報を受け取る際の偏り』なのか『アクションを起こす際の偏りなのか』という違いから解説しています。

この考え方は意外とありそうでなかったかもしれません。
そもそもASDとADHDはなぜ合併しやすいのか、二つの本質的な違いはあるのか…考えるほどに不思議なこの二つ。

まのぱぺ相談室の公式LINEを読んで下さっている方はご存知かと思いますが、僕も自閉スペクトラム症の原因についていろいろと調べてはいるのですが…最終的には様々な要素の複合、という答えまでが現時点で言えることであり、それ以上の確かなところは不明なのだと思います。

この辺りのお話は、↓の記事でも詳しく触れています。

さて今回の話題に話を戻しますと、この二つの発達障害特性をどう捉えるか…なのですがその1つの視点として、動画内でお話ししているものは頷けるところが多々あるものだと思いました。

2. 【重要】耳が遠い高齢者に「大声」はNG!「補充現象」とは

お次は補充現象、という耳の聞こえについてのお話しです。

この補充現象(リクルートメント現象)というもの、意外と医療や介護の現場の人間も知らなかったりします。
そういう意味でも、より多くの方に知って頂きたい内容でもあります。

補充現象とは、加齢や内耳(鼓膜より耳の内側、神経など)の異常による難聴のときに起こる現象です。
音の刺激に対する調節がうまく効かないイメージで、ちょうど心地よいと感じる音の大きさの範囲がすごく狭くなってしまうんです。

この結果何が起こるかというと…少し大きな音が耳に入ると、とても刺激が強く不快に感じるということが起こります。
一方で、話しかける側は耳が聞こえづらい相手に対してつい大きな声で話しかけてしまうので…結果、補充現象がある聞き手の方は耳が痛かったり苦痛を感じたりする、ということが起きがちです。

簡単にまとめますと、
やってしまいがちなNG: 耳元で大声を張り上げる
効果的な対応: 普通の声の大きさで、ゆっくり、はっきりと、口元を見せて話す

となるんですよね。

良かれと思って大声を出した結果、相手に苦痛を与えてしまっている……そんな悲しすぎるすれ違いを減らすため、ぜひこの動画でメカニズムを知ってもらえたらと思います。

3. なぜ人は負けると分かっていて「ギャンブル」にハマるのか?

続いては放課後等デイサービスの動画とどちらにしようか迷ったのですが…放課後等デイサービスの動画はTikTokでもコメントの反響がけっこうあるため、単体で1本コラムを書こうと思います。
なので今回はご紹介せず。

というわけで今回ご紹介するのは心理学のお話です。
パチンコや競馬など、確率で言えば負けるはずなのにやめられない……。これは意志が弱いからではなく、「学習認知心理学」という脳の仕組みで考えた方がより深く、建設的な理解ができそうです。

なぜ人は勝てるはずのないギャンブルにはまるのか?というテーマで撮った動画がこちら。

動画内で話しているのは、ギャンブル特有のランダムな報酬が人を強烈に惹きつける、という内容ですが。
これは学習認知心理学という学問の分野で有名な話だったりします。

そしてこの学習認知心理学、僕は個人的にかなり好きであり、特にリハビリスタッフや人を指導する立場にある人にとってはとても大切な分野だと思っています。
すごく簡単に言うと、学習というものの意欲、モチベーションに関すること。人が何かを学習するにはどういった仕組みが働いているのか、ということを明らかにするものです。

そして今回のギャンブルの例にも当てはまる通り、世の中には巧みにこの学習認知心理学というものが使われ人は誘導されています。
こう書くとなんだかとても恐ろしい陰謀論のようでもありますが…そうではなく、単純に何か物を売ろうとか購買意欲を上げよう、自分のところのコンテンツに人を呼ぼう、と思ったときに行き着くのは人の心理を掴むテクニックなわけですね。

と、この話は書き始めるとどんどん脱線していってしまいそうですので。またいずれ、コラムか動画などでもちょこちょこと触れていけたらと思います。

ちなみに僕の著書に少しだけ、人の学習というものに触れた記載もあったりしますので…宣伝がてら貼っておきます(笑)

https://amzn.asia/d/8sOvkd4

まのの書籍

人を指導する立場の方や、リハビリ職にとってもこの「モチベーションの仕組み」は非常に重要です。
なんでしたら、自分の力を上手に引き出していくという意味では老若男女問わず知っていて損はないことだったりします。
人のモチベーションというものがどうやって出来ていくかの仕組みを知ると、イタズラに自分や他人を責めたりといった辛さを防ぐことにもつながりますからね。

4.自閉スペクトラム症への「粋な配慮」ができる講師の話

最後は、僕が学生時代にお世話になった先生のエピソードです。

感覚過敏を持つ方にとって、ときに周囲の人の「服装(視覚情報)」すらも刺激になり得るということをご存知でしょうか。

講師の先生は、恐らく自閉スペクトラム症傾向のある方への配慮を主として、このような工夫をされていたようです。

すっごく余談なのでここだけの話ですが……僕の恩師であるまた別の先生は、ご自身のことを「発達障害(今で言う神経発達症ですね)だ」と明確に宣言しておられました。
確かにお話を聞けば聞くほどまごうことなき自閉スペクトラム症の特性のオンパレードだったように思います。
その中で社会性というものを身につけられ、ご自身の経験を活かしながら障害をもつお子さんや、後進の支援者の指導にもあたっておられるとても熱心で愛情深い先生でもあります。

その先生が、視覚過敏というかこの動画内の先生の懸念通りというか。
周囲の方の服装が刺激になってしまうことが多々あるそうで。
「今日の〇〇先生の赤い派手な服は私への挑戦に違いない」と言って、他の先生の服装いじりをしながらも自虐的に笑っておられました。

そんな感じで、笑い話にしながらよく発達障害あるあるを授業中に話して下さっていました。

おかげで「お前の〇〇なとこ、めちゃ症状やん」「自分なんてこういうことしちゃうけど、もろ発達障害だ」と、わりとクラスメイト同士違和感なく口にして冗談にできる風潮がありました。

障害特性をネタにする、というのは賛否両論なのかもしれませんが、「こんな風に障害のことを笑っちゃっていいんだ」と感じるシーンを日常的に体感していたので…そういう経験を経て、僕たち当時の学生は『発達障害がネガティブなもの』という概念を知らず知らずのうちにぶち壊してもらっていたのかもしれない、と今回ふと思ったりしました。

「障害を隠す」のではなく、「ユーモアに変えて共有する」
これも一つのバリアフリーなのかもしれません。

……というのは良いように考えすぎでしょうか(;・∀・)
先生は好きなように喋りたいことを喋っていた説も普通にありえると思います(笑)
このショート動画の講師の先生同様、信じたい真相を信じましょう(‘◇’)ゞ

おわりに

というわけで今回も4本のショート動画をご紹介いたしました。
話したいことはいくらでもあるんですが、編集時間が足らないのでなかなかコンスタントに動画を出せないもどかしさ…。

そんな中ではありますがショート動画は1分という制約がありつつ、その裏にはこうした専門的な理論や、現場での実体験も詰め込むようにしています。
「もっと詳しく知りたい!」という方は、ぜひチャンネルの方も覗いてみてください。

一人で抱え込まず、専門家に相談してみませんか?

単発のご相談から、定額プラン、LINEでのミニ相談まで。
ご自身のペースに合わせた具体的な作戦を一緒に考えます。


この記事を書いた人:まの (まのぱぺ相談室代表)

【保有資格】
言語聴覚士 (国家資格) / 公認心理師 (国家資格) / 正規Keep Safeインストラクター修了

【主な経歴・実績 (臨床経験10年以上)】

  • 元・看護専門学校 非常勤講師(リハビリ概論/言語・高次脳機能障害などを担当)
  • 急性期病院での小児~成人リハ (失語症、嚥下、高次脳機能障害)
  • 1歳~18歳までの支援 (発達障害、ことばの遅れ、吃音、緘黙、学習障害など)
  • 重症心身障害児・者リハビリテーション
  • 保育園へ毎月訪問し、保育士さんとの意見交換業務を継続中
  • 学会での発表実績あり (令和8年も発表に向けて準備中!)

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※ライブ配信のスケジュールやはTiktokのストーリーでお知らせしています。

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